時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

11月11日-MRJの日本と独身の日の中国

 昨日の11月11日は、日本国では、国際飛行機、MRJが遂に初飛行に成功し、YS11以来の快挙として沸き立っておりました。一方、中国では、この日は”独身の日”と呼ばれており、独身の人々が自分のためにお買い物をする日なそうです。アリババでは、この日一日で1兆円以上を売り上げとも報じられております。

 同じ日に起きた両国の出来事、この二つの出来事は、日中の国民性の違いを際立出せているように思えます。MRJの開発には実に様々な人々が関わっており、昨日の初飛行は、夢の実現に向けてひたむきに努力した人々の協力の結晶でもあります。流線型の美しい機体が、青い空に向って伸びやかに飛び立つ様に、言い知れぬ感動を覚えた方も少なくなかったことでしょう。一方、中国の”独身の日”は、あたかも、”自分の日”のようです。一人っ子政策の影響もあり、現代の中国人、特に”小皇帝”と称される若者世代は、自分にしか関心のない人々が多いとされています。経済が減速する中、消費を牽引しているのはこの世代であり、企業側も、”自分だけ感覚”を満足させる商品のデザイン・設計に努めているそうです。

 近年、中国が世界第二位の経済大国として躍り出たことで、日本国の地位の低下が危ぶまれておりますが、昨日の出来事を見ますと、日本国の協力や努力が尊重される国柄はまだまだ健在であり、将来に向けた発展性をも秘めているように思えます(贔屓目かもしれませんが…)。国民性において危うきはむしろ中国であり、自己中心主義の小皇帝達がどのような社会を、そして、経済を築いていくのか、不安を抱かざるを得ないのです。

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