時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

日韓”妥結”でも収まらない慰安婦問題

 本日、日韓局長級協議が韓国の首都ソウルで開かれ、慰安婦問題について両国の立場の違いが確認されたと報じられております。この協議、先の日韓首脳会談で合意された”交渉の加速”なのでしょうが、たとえ政府間で最終的に”妥結”に至ったとしても、民間レベルでは、この騒動、なかなか収まらないのではないかと思うのです。

 既に、アメリカで活動している韓国系米国人の団体は、日韓両国政府の間で最終決着をつけたとしても、慰安婦像の設置などの活動は継続すると宣言しております。つまり、たとえ韓国政府が、表向きには慰安婦問題に関して対日批判の矛を収めたとしても、民間レベルでは、国際社会を舞台に偽りの歴史を宣伝する侮日プロパガンダを続けるつもりなのです。仮に、韓国の民間団体が活動を継続する一方で、日本国サイドが、官民ともにこの問題に関する全ての活動を止めるとしますと、韓国側のプロパガンダだけが国際社会に浸透する恐れがあります。アメリカのみならず世界各国において、反対勢力が姿を消すのですから、今後とも慰安婦像の設置例が増え続けることでしょう。これでは、最終的な問題の終結とはならず、むしろ、日本国側だけが一方的な被害を被ることになりかねません。となりますと、日本国政府は動かないとしても、民間レベルでは、対抗措置としての、あるいは、正確な史実を発信するための活動が継続されることになるのではないでしょうか。

 韓国が望む”韓国国民が満足する解決”とは、日本国を国家犯罪の加害者に貶める一方で、自国を非人道的犯罪の被害者の立場に置くことですので、日本国政府が、財政支援等の措置を講じれば、この構図は固定化され、さらに全世界の”世界史”の教科書に書き込むべく韓国の民間団体、そして、背後で支援している中国系団体の活動も強化されるかもしれません。安易な政治的な妥協は、決して最終的な問題解決とはならないと思うのです。

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