時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

『China 2049』と『吉備大臣入唐絵巻』から見えてくる中国の『兵法三十六計』の脅威(パート6)

 今日も、古代・中世史研究家の倉西裕子が、昨今、反響を呼んでおります『China 2049』に関連して、『吉備大臣入唐絵巻』から見えてくる中国問題の記事を書かせていただきます。
 
『吉備大臣入唐絵巻』に登場する中国王朝が、吉備大臣をライバル視し、何ら咎の無い吉備大臣を、一方的に、幽閉し、殺害しようと計画したにもかかわらず、一向に、反省していないという点に示されますように、進化の過程において、善悪の判断能力に欠けた人類が生じてしまっている可能性があり、このような‘悪い国’は、本当に更正するのか否か、という深刻な問題を人類が抱えていることを、昨日、本ブログにて指摘させていただきました。
 
この問題は、犯罪者は、更正するのか否か、そして、人格は変えることができるのか否か、という問題にも喩えることができます。例えば、読者の皆様は、その人生におきまして、自らの周囲を見渡しまして、「何て、性格が悪いのでしょう」、「このような邪悪な人物は見たことが無い」という感想を持たざるを得ないような人物を発見することは、あるのではないでしょうか。読者の皆様は、このような悪人が、善人になることはあり得るとお考えになるでしょうか。それとも、あり得ないとお考えになるでしょうか。
 
 この質問は、人ではなく、国(政府)についても言うことができるのです。すなわち、悪い国(悪い政府)は、更正するのか、否かということです。アンケート調査などを通して、この質問を、世界規模で行い、回答を国別、もしくは、民族別に集計を採ってみますと、興味深い結果が、得られるのかもしれません(もっとも、本心からではなく、謀略的に、自国に都合のよい結果を捏造する国々もでてくるかもしれませんが…)。
 
 人に関しましては、悪い性格の人が、良い性格となったという例は、ほとんどありません。ディケンズの小説、『クリスマスキャロル』の主人公のスクルージや『レ・ミゼラブル』のジャンバルジャンのように、善人に改心した例があるとおっしゃれる方々もおられるかもしれませんが、スクルージは、悪人というよりは、守銭奴であり、ジャンバルジャンは、一切れのパンを盗んだことにはじまって、最後は、フランス警察が総力を挙げてその逮捕を目指す極悪人と認定されてしまうという、悲劇というよりはコメディーのようなお話の主人公です。
 
すなわち、悪い性格の人が、良い性格となったという実例は、皆無なのではないでしょうか。読者の皆様の中に、悪い性格の人が、良い性格となったという実例をご存じの方がおりましたならば、ぜひ、お知らせいただきたいと思います。
 
したがいまして、国(政府)につきましても同様であり、おそらくは、「悪い国(悪い政府)は、更正しない」、と回答する人々の方が多いと推測することができることになります。むしろ、更生しないにもかかわらず、更生するであろうと、信じることの方が、危険であることにもなります。

「神様志向型人類god (goddess)-minded human」にとっての理想の世界が、‘すべての国々が、「天無二日 土無二王」という考えを持っていない世界’なのですが、現実には、悪い国(悪い政府)は、「天無二日 土無二王」という考えを持ち続けており、このことが、「神様志向型人類god (goddess)-minded human」にとりまして、大きな脅威、懸念材料となっているのです。

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(続く)