時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

『China 2049』と『吉備大臣入唐絵巻』から見えてくる中国の『兵法三十六計』の脅威(パート12)

 今日も、古代・中世史研究家の倉西裕子が、昨今、反響を呼んでおります『China 2049』に関連して、『吉備大臣入唐絵巻』から見えてくる中国問題の記事を書かせていただきます。
 
昨日の本ブログ(12月24日付)にて、「野獣型人類 beast human」は、ジャン・ジャック・ルソーの「自然に帰れ」運動を悪用した自然保護運動を隠れ蓑として、人類野蛮化計画をつくっている可能性を指摘させていただきました。この問題は、マイケル・ピルズベリー氏の著作『china 2049』の内容からは、随分と脱線していると思われる読者の方々もおられると考えられますが、それがそうではないのです。
 
11月27日付本ブログにて、マイケル・ピルズベリー氏は、その著作『china 2049』を、「瞞天過海(天をあざむいて海を渡る)」という『兵法三十六計』に載る言葉ではじめている、と述べました。この言葉は、2012年11月30日に、蔡国強なる中国人アーティストが、クリスマスツリーを花火(爆薬)で爆破するというパフォーマンスを、アメリ連邦議会議事堂の目と鼻の先のナショナル-・モールで行い、このパフォーマンスに対して、蔡に、アメリカ国務院より、芸術勲章が贈られたという事件をめぐりまして、中国の古典に詳しいピルズベリー氏の脳裏に、中国脅威論として、まっ先に思い起こされてきた言葉です。
 
その理由は、蔡がクリスマスツリーを爆破した真の目的が、キリスト教を象徴するクリスマスツリーを爆破するというパフォーマンスを通して、「西洋文明を破壊し、中国が米国に取って代わる」という中国の野望を、暗にアピールすることにあったにもかかわらず、この蔡の真の意図・目的に気付かずに、蔡のパフォーマンスに拍手喝采し、勲章と賞金まで贈った米国人の‘おめでたさ’にあります。すなわち、蔡は、まさに「文明を嫌う人々」であり、その思想の実現を、芸術表現を装って実行したのです。
 
「瞞天過海(天をあざむいて海を渡る)」とは、「ありふれた風景に隠れ、敵の油断を誘う」という意味です。蔡によるクリスマスツリーの爆破は、一見、他意の無い、なにげないアート・パフォーマンスに見えながら、実のところは、文明を破壊するという意図を表現したものであり、この芸術を利用した文明の破壊活動は、自然環境運動を隠れ蓑とした文明破壊運動に通じるものがあります。どちらも、たわいもないパフォーマンスに見せかけながら、その目的は、人類の野蛮化にあるということになります。
 
今日は、クリスマス。サンタクロースさんは、‘よい子’のところを訪れるといいますが、果たして、昨晩、サンタクロースは蔡氏のところに訪れたでしょうか。
 
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(続く)