時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

あまりも危険な慰安婦新基金構想

 慰安婦問題については、今月28日に開催が予定されている日韓外相会談において、妥結を見るのはないかとする憶測が飛び交っております。妥結案として、慰安婦を支援する新基金の設立も取り沙汰されておりますが、この構想、あまりに危険すぎると思うのです。

 マスメディアの説明によりますと、韓国側からの蒸し返しを封じるために、日韓両政府による出資案も検討されており、支援対象者は、「アジア女性基金」からの見舞金の受け取りを拒否した元慰安婦と共に、慰安婦の遺族も含まれているそうです。この構想においてまずもって指摘すべき危険性とは、遺族への支給です。現在、存命の元慰安婦は46名なそうですが、野田政権時の日韓交渉において、”元慰安婦20万人”の遺族をも対象とした試算があったとする情報があり(数兆円規模?)、真偽のほどは不明ですが、遺族を対象に含める前例が敷かれますと、その後、韓国国民から遺族申請者が続出する可能性があります。日本国政府は、一括して支払う予定とも報じられておりますが、今後、新たに遺族申請者が出現した場合、今般の支援対象者との間の線引き、あるいは、却下はできるのでしょうか。

 仮に、人道的な事業として新基金を運営した場合、韓国人遺族の続出によって雪だるま式に支援対象者が増え、基金の増額を迫られる可能性も否定できません。「アジア女性基金」では、莫大な使途不明金が発生しましたが、今度は、新基金が、日本国政府による”自動支払機”に転じかねないのではないかと思うのです。

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