時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

「パナマ文書」をAIによって分析すれば真相は‘revelation’されるのか

 今日は、古代・中世史研究家の倉西裕子が、記事を書かせていただきます。引き続き、「2016年問題」について扱ってまいります。4月12日付の本ブログにて、『聖書』黙示録The Revelationのキーワードが、「パナマ文書Panama Papers」の特徴と符号してくる可能性がある点として挙げた6点のうち、本日は、第4点の「④暴露される巨悪revelation」について扱います。
 
4月8日付本ブログにて、『聖書』の「黙示録」というタイトルは、「The Revelationの邦訳であり、「(隠されていた事実の)暴露、摘発、発覚、意外な新たな新事実」という意味であることから、「黙って示す、暗黙のうちに示す」という意味にとれてしまう「黙示録」という邦訳は間違えであって、正しくは、「開示録」、もしくは、「暴露録」とすべきであると述べました。
 
では、なぜ、この『聖書』の最後に位置する宗教的に極めて重要な書が、「The Revelation」というタイトルであるのか、といいますと、人類が、その行く末において、最終的にどのようになるのかは、神様によって想定・予測されており、その内容が、封印されている7冊の書が開封され、さらに、第7番目の御使によってヨハネにわたされる書も開封されることで、開示されてゆくことになるからです。すなわち、隠されていた事実が、次々に明るみに出ることとなるからなのですが、その明るみに出た内容とは、人類史上において巨悪が数々の悪事を行ってきているという事実であり、そして、こうした巨悪によって何ら罪の無い多くの人々が、巧妙に殺害されているということです。
 
このことから、「The Revelation」は、“巨悪の存在を明らかにしなければ、人類には救いは無い”ということを教えていることになります。
 
しかしながら、封印された書を開封するということ、すなわち、巨悪の存在を‘revelation’するという重要な役目は、誰でもが行えるわけではないようなのです。「The Revelation」の著者であるヨハネ自身も、自分には無理であると述べているように、開示することができるのは、「The Revelation」では、「仔羊the Lamb」として表現されている存在のみとされております。この「仔羊theLamb」とは、一般的には、イエス・キリストであると解釈されております。
 
このことは、悪を暴くことができるのは、善悪の判断能力が十分にあり、しかも、知能レベルが極めて高く、知識も豊富な清廉潔白な存在である、ということを示しております。推理小説でも、名探偵がその並外れた知能によって、真相を明らかにしなければ、犯人は、罪から逃れてしまい、被害者は救われないように、悪を暴くということは、大事なことなのです。
 
そして、「パナマ文書」こそ、その調査・分析によりまして、世界に巣食い、人類を破滅に導きかねない巨悪、すなわち、「赤いドラゴンthe Red Dragon」、「野獣the beast」、「にせ予言者the false prophet」に喩えることができるような巨悪の存在をrevelationするかもしれません。
 
ちなみに、膨大な文書である「パナマ文書」は、その調査には数十年を要するとされており、しかも、極めて高い知能と豊富な知識が必要とされるため、「パナマ文書」の全貌を明らかにするのは人間には無理ということになりかねないのですが、あるいは、「パナマ文書」の内容をすべて人工知能であるIAにデータ入力して、分析させる、という方法も一案として提起することができるかもしれません。案外、「最後の審判の日the Judgement Day」とは、このような真相解明技術を、人類が手に入れた日のことであるのかもしれないのです。それは、「2016年」のことなのでしょうか、それとも、「2061年」のことなのでしょうか。それとも、聖書は、人間であれ、AIであれ、悪の暴露が可能となった時代が到来することを、最後の審判の日として、象徴的に表現しているのでしょうか。

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(続く)