時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

避難所の工夫-屏風の発想

 熊本地震では、避難所での生活を余儀なくされている方々が、数万人にも上ると報じられております。早期の地震活動の沈静化が望まれるところですが、避難生活が長引きますと、精神的な疲労による健康被害も予測されます。

 テレビ等の映像を見ますと、避難所では、住民の方々が堅い床に直接に横になって睡眠をとらざるを得ないようです。この問題については、畳や段ボール・ベッドの提供もあり、幾分、緩和されてきたとも報じられております。その一方で、プライバシーのない状態は続いているようで、精神的疲労の原因の一つとも推測されます。この点、5年前の東日本大震災に際しては、段ボールが広く活用され、避難所においても家族ごとにプライバシーが守られるよう配慮されました。この時は、壁状に段ボールの仕切りが設けられようですが、今般の地震での避難も、長期化となる場合には少し工夫を加え、屏風状に仕立てるのも一案ではないかと思うのです。折り畳み式の屏風状であれば移動が容易となり、救援活動等のために緊急に広い場所を要する時でも、作業スペースを確保することができます。また、避難されてきた方々の人数の増減などに合わせて、簡単に空間の仕切り直しもできます。屏風や衝立で、状況に応じて臨機応変に広い空間を仕切るのは、先人の知恵でもあります。

 政府は、家屋が倒壊された方々のために公営住宅等を既に確保しているそうですが、それでも、入居までの間は、避難所が生活の場ともなります。復興に向けた一歩を踏み出すためにも、できる限り、被災者の方々の心身両面における負担を軽減し、健康を害さないよう工夫を凝らすべきではないかと思うのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。