時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

中国史から見えてくる赤いドラゴン中国共産党政権説

今日は、古代・中世史研究家の倉西裕子が、記事を書かせていただきます。ここ数次にわたりまして、『聖書』「暴露録(黙示録)The Revelation」に載る「最後の審判の日」をめぐって、「パナマ文書thePanama Papers」について扱っておりますが、本日は、‘人類の最終戦争’ともされる戦争、すなわち、「ハルマゲドンAr-ma-ged’don」を計画するとされる「赤いドラゴンthe red dragon」をめぐって、「赤いドラゴン中国共産党政権説」について扱います。
 
4月15日付本ブログにて、「赤いドラゴンthe red dragon」は、一般的に、「赤」は共産主義、「ドラゴン」は中国を意味することから、中国共産党である、という解釈が成り立つこと、そして、5月13日付本ブログにて、現在、スプラトリー諸島などにおいて国際法に違反して自国領の拡大を行っているのは、すなわち、戦争準備を行っているのは、中国共産党政権であることを、指摘させていただきました。
 
今日における戦争の勃発は、通常、国際法の違反行為に起因しておりますので、「ハルマゲドンAr-ma-ged’don」は、国際法違反国家によって計画されている、ということになり、やはり、「赤いドラゴン中国共産党政権説」は正しいようなのですが、中国共産党政権は、執拗に、「国際法違反ではない」と主張しております。その主張の根拠は、スプラトリー諸島など、中国共産党政権が、現在、自国領の拡大を狙っている場所は、「もとは、中国領であった」という、所謂‘妄想’にあるようです。このように妄想であると述べますと、おそらく、中国共産党政権は、「妄想ではない!!!」と反論してきそうですので、そこで、中国共産党政権の妄想であることを、以下の点から指摘させていただきます。
 
まず、第一に、「中国領」の定義の問題があります。「中国」とは、民族ではなく、領域を指す用語ですので、広大な中国大陸におきましては、様々な民族によって様々な国家が建てられてまいりました。民族自決主義の観点から、中国大陸にあったこれらの歴代諸王朝は、継続性の無い、それぞれ別々の国家である、と言うことができるのです。隋王朝唐王朝鮮卑族元王朝はモンゴル人、清王朝女真族による王朝であることは、よく知られております。このような中国大陸の大部分を支配した大きな王朝でも、その国家をつくった民族には違いがあるのです。
 
にもかかわらず、中国共産党政権は、「中国」という名を冠した現実には存在しない幻の1つの国家を想像し、過去において中国大陸にあった別々の民族の別々の国々を、みなその「中国」という国のことであると妄想して、その領土をも、「もとは、中国領である」と主張しているのです。
 
この点につきましては、歴史学上、「五胡十六国時代」や「五代十国時代」という名称が用いられている点、ならびに、「分裂時代」や「統一王朝」という用語が用いられている点も、問題である、と言うことができます。これらの名称や用語は、「中国」という名の存在しない幻の1国家を想定・前提としているからです。すなわち、知らず知らずの間に、「中国」という名の存在しない幻の1国家が、あたかもあったかのような、所謂‘刷り込み’が行われてしまっていることになるでしょう。
 
中国共産党政権が、中国大陸から遥かに離れた地域まで、「もとは、中国領であった」という奇妙な主張を行うようになっている現在、中国史につきましては、再検証を加えるべき時期に来ているのではないでしょうか。中国史への再検証を通しまして、いかに、中国共産党政権が、出鱈目な主張を行っているのかが、見えてくる可能性があるのです。今日は第1点について扱いましたが、次回は、第2点について扱います。
 
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(続く)