時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

公共放送が不正・腐敗社会の成立に協力している不思議は「赤いドラゴンthe red dragon」と関連がある

今日は、古代・中世史研究家の倉西裕子が、記事を書かせていただきます。「舛添東京都知事の政治腐敗事件」は、『聖書』の「暴露録(黙示録)」に登場するサタンの化身の「赤いドラゴンthe red dragon」が、中国共産党政権であるとする説を補う事例としての性格を、いよいよ露わにしてきているようです。
 
去る6月11日にNHKスペシャルにおきまして、「日本人が不寛容になってきている」というテーマの討論番組が放映されておりました。この討論番組は、公共放送が視聴者に対して、「悪の容認」・「悪事の見過ごし」を奨励しているという点におきまして、前代未聞の背徳番組である、と言うことができます。
 
当番組は、昨今、日本では、何事につけ、ネット上において、「炎上」と表現されるような批判や非難の殺到が屡起こることについて、「日本人が不寛容になってきている」からであると言わんがゆえに組まれた特集番組であるようなのですが、この番組の真の目的が、「悪の容認」・「悪事の見過ごし」の奨励にあることは、東京オリンピックのエンブレムの盗作問題に関連して、佐野氏に対する日本国民からの轟々たる批判・非難を、「日本人が不寛容になってきている」ことの事例として挙げていることにおきまして明確です。佐野氏の件は、マナーからの多少の逸脱や人との違った行動などに対する人々の非難や批判といったレベルの問題ではなく、刑法に触れるような不正問題であるからです。
 
ネットやメディア上で佐野氏への非難や批判が起こった原因は、たとえ、現在、佐野氏が逮捕されていなくとも、佐野氏の不正行為が、人々の一般常識、道徳心、正義感からして、許しがたい行為であることによります。しかしながら、まず、当番組に出演している脳神経科?の医師に、このような非難や批判について、「「影響力を世間に及ぼしている」という自己満足や自己顕示欲からの行為であり、快楽物質のドーパミンが多く分泌されるからである」といった趣旨の分析をさせ、人々がネット上で非難や批判を行う理由を、自分本位の矮小な理由にすり替えることで、不正行為に対して正義感を持って、きちんと非難・批判する人々を貶めしているのです。もっとも、ネット上で非難・批判する人々の大多数は匿名ですので、脳神経科?の医師の分析は、間違っています。
 
さらに、別の一般出演者が、この分析に対して、「正義感からである」と反論すると、番組の進行役の別の出演者は、「正義感など持つな!!」と発言しているのです。これは、どういうことなのでしょうか。この言葉は、かつて、ポルポト政権が、国民に対して、「笑ってはいけない!!」と命じたことを想起させるのですが、当番組は、「どのような不正行為に対しても、日本人は、批判・非難してはいけない!!」と言っているに等しいのです。
 
この時期における当番組の制作には、どうやら、舛添氏に対する批判・非難をかわそうという目的が見え隠れしているようです。すなわち、舛添氏の不正行為に批判・非難させないためにつくられた番組であるようなのです。
 
しかしながら、舛添氏の不正行為のような悪事に、誰もが批判・非難しなくなった世の中とは、いったい、どのような世の中なのでしょうか。共産党政権下の人々は、言論の自由が奪われており、共産党幹部による不正・腐敗行為に対して、批判・非難が許されていない状況にあります。このような共産党政権下の状況と同じように、NHKの「悪の容認」・「悪事の見過ごし」の奨励に従ってしまいますと、人々の理性・良識にもとづく批判・非難による社会の浄化機能が失われ、それこそ、日本は、『聖書』の「暴露録(黙示録)」に描かれたような悪の蔓延した世界となってしまうのではないでしょうか。

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(続く)