英国のEU離脱問題から見えてくる「赤いドラゴンthe red dragon」のチェス
今日は、古代・中世史研究家の倉西裕子が、記事を書かせていただきます。去る6月23日に英国で行われました英国のEUからの離脱か残留かを問う国民投票の問題は、英国のみならず、ヨーロッパ諸国にとりまして、移民の流入問題が、いかに深刻であるのかを示しております。
大量移民問題からも、やはり、『聖書』の「暴露録(黙示録)」に登場するサタンの化身の「赤いドラゴンthe red dragon」の問題が見えてくるような気がいたします。その理由は、1648年にウェストファリア条約が締結されたことによって、曲がりなりにも続いてきたヨーロッパ諸国の‘民族自決主義’にもとづく国家の存続において、最大の危機がもたらされていることにあります。
「お国柄」や「○○人気質」という言葉がありますように、世界の国々それぞれには、その国固有の文化、伝統、慣習などがあり、それは、それぞれの民族固有の気質によって構築されてきている部分が大きい、ということができます。第二次世界大戦後の国連憲章にもとづく世界秩序は、それぞれの民族が民族自決主義に基づいて、それぞれの文化、伝統、慣習を尊重した国々を築くことによって維持されている、と言うことができるでしょう。
ところが、昨今の‘多民族共生・多文化共生’というスローガンのもとに、移民を大量に受け入れますと、受け入れ国の‘民族自決主義’は、危機に陥ることになります。やがては、移民を送り出している側の国の民族が、受け入れ国の人口の多数を占めるようになり、移民受け入れ国の文化、伝統、慣習もまた、移民を送り出している側の文化、伝統、慣習に変わってしまうことになるのです。さらには、基本的には数の論理にもとづく現行の民主主義制度のもとでは、内政・外交をめぐる国家意思も、移民を送り出している側の国の民族によって決められてしまうことになるのです。
その結果、‘国名は残っても、中身が違う’ということになってしまいます。そして、移民の出生率の高さによって、数十年後という近い未来に、移民の受け入れ国に、このような状態が発生する可能性があるのです。
このような大量の移民の流入による‘実質的な祖国の消滅’というヨーロッパ諸国が直面している危機は、‘安い労働力の確保’や‘労働力不足’といった経済問題の結果として生じているのでしょうか。産業革命の時代に、英国におきまして、ラッダイド運動という運動があり、機械化によって雇用の機会を失った労働者たちによる機械化反対の運動がありました。このように、‘安い労働力の確保’や‘労働力不足’といった問題は、機械化などの別の法方によって解決できる問題であり、必ずしも、移民に頼る必要はないのです。
では、なぜ、かくも大きな移民問題が、発生しているのでしょうか。憶測の域を出ないかもしれませんが、そこには、「赤いドラゴンthe red dragon」のような謎の権力体の存在が、垣間見えてくるような気がいたします。すなわち、謎の権力体が、あたかもチェスを行っているかのように、一手一手、‘民族自決主義’にもとづく国家を崩壊させようと、歩を進めているように見えるのです。その謎の権力体は、かなり、アグレッシブなメンタリティーの持ち主であるとも推測することができます。
謎の権力体の正体はわかりませんが、謎の権力体の存在を想定したほうが、今日、世界規模において発生している移民問題が、よほどよく説明できるような気がいたします。『聖書』「暴露録(黙示録)」に登場する「赤いドラゴンthe red dragon」は、中国共産党政権である可能性が高いのですが、その謎の権力体とは、あるいは、「赤いドラゴンthe red dragon」、中国共産党政権をも操るサタンそのものであるのかもしれません。
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(続く)