時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

福田元首相から二階幹事長へ-中国の内部権力闘争の反映か?

 つい先頃まで、日本切っての親中派政治家として真っ先に名が挙がってきたのは、福田康夫元首相でした。しばしば訪中をしては、中国側のトップとも会談の場を設けており、いわば、中国のスポークスマンと見なされてもきたのです。

 しかしながら、この役割は、今日、二階幹事長に交代したような観があります。マスコミの紙面にも福田元首相の名が見られなくなり、中国問題が起きるたびに、二階幹事長のコメントや発言が取り上げられています。その背景には、自民党党内の力学が働いているのでしょうが、もしかしますと、中国国内の権力闘争を反映させている可能性もないわけではありません。今日、中国では、大統領制の導入をも視野に入れた独裁体制を目指す習主席が権力集中を加速する一方で、未だに対抗勢力を粛清し切れず、江沢民派(上海閥)や青年太子党等との熾烈な権力闘争が続いているとの指摘もあります。福田元首相は、とりわけ胡錦濤政権時代において率先して親中路線を進めていましたので、二階幹事長の登場は、今日、習派が優勢にあることの現れであるのかもしれません。二階幹事長と習主席が容姿からして似ているように感じるのは、”類は友を呼ぶ”からなのでしょうか。

 福田元首相は、ゴールドマン・サックスといった米金融界とも繋がりがあり、あるいは、米中対立の深刻化も、二階幹事長へのシフトの要因である可能性もあります(ゴールドマン・サックスは中国から資本を引き揚げたとの情報も…)。また、谷垣前幹事長の事故の一件も、不自然と言えば不自然です(最近、世界各地で”自転車事故”が相次いでいる…)。こうした国内での動きが、中国等の海外での変化に連動しているとしますと、日本国の政治家も国民も、内政干渉を受けないよう、情報収集に努めると共に、常に警戒を怠ってはならないと思うのです。

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