時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

蓮舫議員の二重国籍問題-放置できない理由

 民主党代表選は、立候補した蓮舫議員の二重国籍問題が表沙汰となり、思わぬ方向で政治問題化している感があります。政治家の国籍問題が、これ程表立って議論されたのは、今回が初めてのことかもしれません。

 以前から、政治家には帰化者やその子孫が多いとする指摘があったにも拘わらず、選挙に際して公表されることはなく、国民には政治家の出自情報が伏せられてきました。一昔前であるならば、実害があったとしても、国民の関心を引くことはなかったのでしょうが、近年、中国、韓国、北朝鮮といった周辺諸国との軋轢が強まるにつれ、国民も政治家の出自に無関心ではいられなくなりました。政治家の出自を不問に付していますと、政治家を介した外国からの内政干渉や外国への便宜供与により、自国の安全保障のみならず、国内の経済や社会にさえ、深刻なリスクをもたらしかねないことに気が付いたからです。

 蓮舫議員は、二重国籍疑惑を否定はしていますが、台湾国籍の離脱の証拠となる公式の証明書を提示していないため、この疑惑は完全には晴れてはいません。そして、今後、蓮舫議員側から何らの対応があるにせよ、ないにせよ、この問題は、政治家の国籍を確認する手続きがないという、日本国の政治システム上の欠陥として、国民に認識されることでしょう。国籍確認の手続きの欠落は、二重国籍の政治家が存在していても、現状ではスルーされることを意味するからです。

 政治家の出自に対して国民が敏感となっており、かつ、実際にリスクに晒されている以上、政治家や立候補者の国籍確認を制度化する必要があるのではないでしょうか。民主主義国家とはいえ、これまで政治家に任せきりであった日本国民が、政治家というものに、真剣に向き合う時代が訪れているように思えるのです。

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