時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

急ぐべきは生前退位の法整備ではなく不適格者の即位防止の法整備

 今日は、古代・中世史研究家の倉西裕子が、記事を書かせていただきます。昨日、タイ国王のプミポン国王が逝去され、これにともない、タイ国内の政情不安化が懸念されている問題も、欠点・欠陥だらけの皇室制度によってもたらされる最悪のシナリオの問題と関連しているようですので、本日は、タイ国王逝去問題が示す世襲制の欠点について扱ってまいります。
 
タイ国王の逝去にともない、なぜ政情不安が懸念されているのか、その原因は、国王という地位に必要とされる人格と、実際の国王の人格との間の不整合の問題にあると言うことができます。タイ国で次期国王となる予定の現皇太子は、不肖、不品行の皇太子として、国民から不人気な人物であるそうです。すなわち、世襲制によって、「国王に相応しくない人物」が、国王になってしまうという問題が、タイにはあるのです。そして、それは、タイに限ったことではありません。
 
我が国でも、皇太子夫妻の不人気と不適格問題は、すでに、インターネットやマスメディアにおきまして、指摘されております(インターネット上では、より辛辣に)。昨今の生前天皇退位問題は、実は、この問題とも密接に繋がっております。今上天皇の退位は、即、現皇太子の即位を意味しているからです。マスコミなどは、‘現天皇の退位’のみに、焦点を当てて報道しておりますが、生前退位問題は、実のところ、‘現皇太子の即位’の問題なのです。
 
インターネット上の情報の真偽のほどは別といたしましても、現皇室の血統上の問題、配偶者の血統上の問題、不品行の問題、人格問題などから、皇太子夫妻の不適格性は、明らかであり、タイで生じている問題と同じような問題を、我が国も抱えていると言うことができます。さらに、我が国の場合は、中国共産党政権や朝鮮といった外国による間接侵略体制の成立の問題をも抱えているのです。
 
このように考えますと、‘生前退位’をめぐる議論が、その可否を問うだけの議論となってしまうことは、非常に危険である、と言うことができます。なぜならば、仮に、‘可’となりますと、むしろ、自動的に世襲制によって、不適格者が天皇となることが、法的に確定されてしまうからです。不適格者が皇位を継承することを防止するための法整備こそ、国民の生命と財産を守り、国民主権を維持し、そして、国家の安全を保障するために、必要とされる最優先事項なのではないでしょうか。

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(続く)