時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

新潟知事選与党敗北の原因は候補者の人選では?

 昨日、新潟県知事選が実施され、即日開票の結果、共産党社民党自由党が推薦する米山隆一氏の当選が決まりました。この選挙結果については、マスコミやネット上では、米山氏の柏崎刈羽原発の再稼働に慎重な姿勢が有権者の支持を集めたとする説明が散見されます。

 表面的には、選挙の争点は原発の再稼働問題のようにも見えますが、この問題のみが、当落の明暗を分けたのでしょうか。実のところ、与党側の候補者の人選にも問題があったように思えます。自民党公明党の推薦を受けて立候補した森民夫氏は、建設官僚の出身です。官僚時代には、中国の建設部に2年間派遣された経歴を持ち、オフィシャル・サイトでも、新潟県を、”中国、韓国、ロシアなど東アジア地域に加え東南アジアとの交流の拠点”と位置付けています(野党との差異化が困難…)。こうした氏の経歴は、現在、豊洲移転や東京オリンピックの巨額費用問題を背景に噴出している公共事業利権をめぐる逆風を考慮すれば、与党に対してマイナスに作用することは容易に予測できます。森氏は、先の東京都知事選に譬えれば、増田寛也氏の立ち位置なのですから。

 知事選挙での候補者の党内人選に関して、自民党本部の意向がどれほど影響するのかは分かりませんが、仮に、本部の人選であれば、この敗戦は、二階幹事長に責任があるはずです。否、誰に責任があるにせよ、マスコミのみならず、党内からも、人選に関する分析や批判が見られないのは、どこか、不自然なように思えるのです。

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