時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

『孫子』的発想の移民の増加は危険

本日も、古代・中世史研究家の倉西裕子が、記事を書かせていただきます。移民推進政策の問題点につきまして、以下のような既居住の国民のメンタリティーと異なるメンタリティーを持つ移民の増加の問題も指摘することができます。
 
昨今、新聞等のメディアの広告欄などから、世界レベルにおきまして、『孫子』の兵法に関連した書籍が、数多く出版されるようになっていることが窺えます。子供向けのものまで登場し、あたかも、「孫子ブーム」のような観を呈しております。
 
このような書籍は、中国戦国時代に著された『孫子』の兵法を称賛し、そこに書かれてあるような処世術を用いると、‘成功者’になれると説いております。そこで、どのような処世術であるのか、と言いますと、一口に言えば、「勝つためには手段を選ぶな」ということになり、人を騙したり、出し抜いたり、自らの利益のために人を利用することを是とする処世術である、と言うことができます。
 
孫子奨励問題が、なぜ、移民問題と繋がるのか、と言いますと、一般的に、移民受け入れ国は、反孫子的な思想のもとに、その安定した社会・経済を築いている傾向にあり、一方、移民送り出し国の国民には、親孫子的な思想の持ち主が多いという特徴を見出すことができるからです。逆に言えば、移民受け入れ国のような、政治や経済状態が比較的に安定している国家をつくるための、そして、維持するための条件として、‘その国民には反孫子的な思想の持ち主が多い’、という条件を挙げることができるのです。したがいまして、親孫子的な思想の移民が増加いたしますと、以下のような問題が生じてくることになります。
 
政治的には、候補者が、甘言をろうして有権者を騙して当選し、当選後には、恣意的、独裁的に、その地位にともなう権力を行使するといった状況が起こり得てくることになります。経済的には、詐欺事件や計画倒産事件などが多発することになります。「商売は信用が大事」とよく言われますように、安定的で持続可能な経済活動は、相互の信頼関係を構築することによって支えられてきておりますので、親孫子的な思想の持ち主の増加は、経済活動にとりましてマイナスに作用することになるのです。また、「孫子」は、謀略をも奨励しておりますので、国民は、安心した生活を送ることも難しくなります。
 
すなわち、親孫子的な思想の国民が、孫子の兵法のとおりの処世術で、政治活動、ならびに、経済活動に参加いたしますと、国家を危うくする可能性があるのです。
 
なぜ、マスコミが、こぞって孫子の兵法を好み、一生懸命、親孫子的な思想の持ち主を増やそうとしているのか、奇妙な現象であり、その背景は、きちんと分析しておかなければならないと言うことができますが、昨今の移民問題には、メンタリティーの異なる人々、特に、親孫子的な思想の移民の増加により、‘誰も信用できない’という不信・不安定社会の出現による一国民としての連帯感の崩壊、社会崩壊の危機の発生という問題も指摘することができるのです。

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(続く)