時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

「赤い竜red dragon」の言論統制に協力しているフェイスブック

本日も、古代・中世史研究家の倉西裕子が、記事を書かせていただきます。昨日、「赤い竜red dragon」の特徴として、‘世界支配への強い野望’を指摘いたしましたが、支配の常套手段が国民への情報の管理・統制であることを踏まえますと、23日、米国紙『ニューヨーク・タイムズ』による、インターネット交流サイト(SNS)世界最大手の米フェイスブックが、中国市場への再参入をにらみ、検閲ソフトを開発したとする報道があったことが気にかかります。
このソフトを使いますと、ニュースや友人からの投稿などを特定地域の利用者の「ニュースフィード」に表示させないようにでき、その検閲は、フェイスブック自らが行うのではなく、提携先の中国企業など第三者にソフトを提供することが想定されているそうです。‘特定地域’とは、中華人民共和国のことであり、‘中国企業’とは、実質的に、中国共産党政府に他ありません。したがいまして、米フェイスブックは、中国共産党政府が、外国の情報を中国国民に伝えないための手段、すなわち、情報統制・言論統制のための手段を中国共産党政府のために開発してあげているに等しいのです。
 イスラムの春’と称されたイスラム諸国の民主化が、フェイスブックを通して為されたことから、フェイスブックは、これまで民主主義・自由主義の旗手のごとくに扱われてきました。すなわち、誰でも、どこでも、自由に自分の意見を発信でき、また、様々な意見を閲覧できるようにしてきたため、フェイスブックは、言論の自由に貢献していると信じられてきたわけです。
しかしながら、昨今のフェイスブックの企業活動は、その逆に、世界の諸国のなかでも、とりわけ厳しい言論統制を敷いている中国共産党政権寄りの姿勢を強めていると言うことができます(ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は自ら中国語を学んでいるとされておりますが、その配偶者の中国系米国人は、中国共産党幹部関連の人物であるともされております)。フェイスブックのこうした姿勢は、フェイスブックに対する人々の信頼を著しく損なうもの、また、裏切るものとなっているのではないでしょうか。
このように、フェイスブック中国共産党政府が、その結びつきを強めている点を踏まえますと、中国共産党政府自体が、犯罪に関与する国家体質で知られているだけに、例えば、フェイスブックの顔写真を別人の写真にすり替えるなどの詐欺行為が行われている可能性もあながち否定できないことになります。「フェイスブックFacebook」は、「フェイストリックFacetrick」となってしまうかもしれないのです。
情報統制は、支配の常套手段ですので、言論の自由に貢献してきたはずのフェイスブックが、逆に、「赤い竜red dragon」に協力していることは、残念であると言えるでしょう。
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(続く)