譲位問題に隠れている天皇独裁化の脅威
本日も、古代・中世史研究家の倉西裕子が、記事を書かせていただきます。今般の天皇譲位問題が、国民の間に不安を与えている原因の一つに、譲位容認が‘天皇独裁への布石’となる可能性を含んでいる点を指摘することができます。
譲位には、‘天皇の意思表示’という問題が絡んでまいります。すなわち、‘天皇の意思’によって天皇位を交代してもよいのか、換言いたしますと、天皇自身に、天皇位にある人物を変更させる権限はそもそもあるのか、といった問題と結びついているのです。
天皇位は、「日本国憲法」において規定されている国家機能の一つです。国家機能の一つである以上、国民主権という我が国が掲げる国家理念からは、憲法規定に従い、天皇位の交代制度の変更・改革に当たりましても、国民投票などの何らかの方法で、国民の承認を得なければならないはずです。しかしながら、”天皇のお気持ち”という婉曲な表現を用いて、この憲法違反行為を、国民に気付かれぬよう、知られぬように、進めようとしている内外勢力があると考えられるのです。その勢力は、おそらくは、天皇親政、否、日本国における独裁体制樹立に天皇を利用することを是とする思想を持つ勢力であると推測できます。
さらに、今般、一部メディアなどによりますと、政府の有識者会議は、憲法の規定以外の‘公的行為’を天皇の意思で決めてよいとする見解で一致したとされております（他のメディアでは、天皇の公的行為が代ごとに違いがあってよしとする見解について一致と報道…）。いよいよ、その勢力は、馬脚を現し、譲位問題は、天皇の意思による天皇位という国家機能の役割や性質の変更をも視野に入れた作戦レベルにまで至っているようなのです。仮に、この勢力の作戦が成功いたしますと、皇太子夫妻の並々ならぬ外交への熱意から伺えるように、”天皇のお気持ち”が、政治・外交に関わりたいというものであった場合、極めて忌忌しき事態となります。特に、外交関係に関しては、日本国の二重外交といった重大な国家的危機を招きます（さらには、政府、天皇、”上皇”の三重外交にも…）。最悪の場合、既に懸念されているように、‘中国に皇位を承認してもらい、その庇護の下で中国の属国になりたい’という天皇の意思が示された場合、日本国は、北朝鮮のような恐ろしい独裁国家、抑圧国家に変貌し、中国、否、その背後にある勢力の支配下に入り、日本人の生命や財産も危ぶまれる状況となるのです。一切の天皇に対する批判を許さない不敬罪や政治犯罪なども設けられることでしょう。
国家の安全と国際平和の維持には、危機を招くことになるような僅かな徴候も見逃さないことが大事です。譲位問題には、天皇独裁への布石という問題が隠れている可能性があるのです。
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（続く）
