時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

東インド会社を利用した世界支配志向勢力

 本日も、古代・中世史研究家の倉西裕子が、記事を書かせていただきます。伝統宗教の異端をも含むカルト宗教の複合体が、反キリスト思想の「偽預言者false prophet」を構成していると考えられ、日本におきましても、この勢力が、幕末期の混乱に関与したと推測されます。
 
その主力となる世界支配志向勢力は、1588年のアルマダの海戦以降、英国の国家権力を乗っ取ろうしたと考えられますので、まずもって、どのようにして、世界支配志向勢力が英国の国家権力の内部に深く浸透することになったのか、この点の解明は重要です。

まずあり得るシナリオは、イエズス会士が、その海外における植民地化のノウハウの提供を理由に、東インド会社に接近したというものです。あるいは、逆に、東インド会社側が、イエズス会の戦略に学び、模倣したのかもしれません。何れにしても、世界支配勢力は、7つの海を支配した英国を利用して、その海外活動を展開させ、世界規模のネットワークを温存、拡大させたと考えられるのです。
 
例えば、18世紀から19世紀にかけてインド国民への徴税権を含め、実質的に植民地としてインドを支配したのは、東インド会社でありました。私企業が徴税権を持つという奇妙な状況がインドにおいて起こっています。このような活動で莫大な利益を得た東インド会社は、その資金力で英国政府内にその親派となる政治家や官僚を育てると共に、豊富な選挙資金を提供することで、議会を通して英国の政策をも左右するようになったと推測することができるのです(ただし、イエズス会士を含む世界支配志向勢力は、その正体を隠して活動しておりますので、誰が親派であったのか、明らかとすることは困難なようです)。こうして、英国政府、特に、英国外務省は、商業活動を中心に国家利益保護に奔走し、それは、東インド会社の利益とも一致したのです。

このため、今日でも、恰も英国政府、あるいは、英国自身が、国家を挙げて、国策としてアジア・アフリカ諸国を植民地化したように見なされています。外部からは、英国と東インド会社の関係は曖昧に見えますが、必ずしも、両者は同一ではなく、当時の英国には、世界支配勢力の意向が強く働いていたと推測されるのです。
 
幕末における皇統断絶の可能性も、仮に、英国、否、その背後の世界支配志向勢力が関与していたとしたら、頭から否定はできないシナリオとなるのです。維新戦争の勝敗をめぐり、これを左右した武器商人のグラバー商会に加え、アーネスト・サトウなどが、皆、英国外務省の外交官であったことにも、英国政府や東インド会社の影に隠れていた世界支配志向勢力の関与を窺うことができます。

明治維新へと繋がる幕末史をめぐりましては、このような背景を踏まえて、精緻な検証を加えねばならないのではないでしょうか。

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(続く)