時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

‘成り済まし’の起源は遊牧系思想か?

 本日も、古代・中世史研究家の倉西裕子が、記事を書かせていただきます。ネオ・ユダヤ人問題とモンゴル問題との関連につきまして、一つここで、考えねばならない点は、征服した民族や自分よりも強いと認識する民族名を名乗るという奇妙な風習です。
 
 ガブリエル・ローナイ氏のモンゴルに関する著書のタイトルが『The Tartar Khan’s Englishman』でありますように、モンゴル人は、征服した相手の民族名の「タタールTartar」を自称しておりました。このように、モンゴル人は、特に、ヨーロッパでは「タタール人」として呼ばれてもおります。チンギス・ハーンの「テムジン」という名も、タタール人の族長の名であり、チンギスの父が、タタールを征服した際に、この名を生まれたばかりのチンギスに付けたことによるそうです。すなわち、モンゴル人は、本物のタタール人ではなく、「ネオ・タタール人」であることになります。一方、タタールをはじめ、近隣の遊牧系民族も、モンゴルが世界帝国を築くほどの強国となると、自らをモンゴルの同族と主張するようになったそうです。
 
 通常、自らの民族に対する愛着や誇りから、自らの民族の民族名や民族独自の人称固有名詞は、子々孫々まで受け継ぐべきものとして大事にするものです。ところが、モンゴル人などの遊牧民族には、そのような感覚が欠如しているようなのです。
 
相手の名を取る行為は詐称・自称ということになり、いわゆる‘成り済まし’ということになり、今日でも犯罪の手法として用いられておりますが、このような風習は、ヨーロッパに残ったモンゴル系などのユーラシア出身の人々が、「ユダヤ人」を名乗る原因になったのではないか、と推測することができます。すなわち、ユダヤ人が、2種類の人々から成る要因、すなわち、ネオ・ユダヤ人の発生原因は、ユーラシア系の人々が、「ユダヤ人」であると自称し始めたことにあると考えることができるのです。
 
そして、今日の我が国でも、韓国・朝鮮の人々が、通名として日本名を用いることに対して抵抗を感じていないようであることに、同じようなモンゴル思想を認めることができるかもしれません。日本は、モンゴルの影響を受けず、一方、朝鮮半島はモンゴルの影響が極めて強く受けた地域であることにおいて、両民族間には、メンタリティーに大きな違いがあります。ネオ・ユダヤ勢力が、日本よりも韓国・朝鮮と近い関係にある理由の一つとして、このモンゴル思想との親和性を挙げることができます。
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(続く)