時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

「黒い貴族」とイスラム教との関連

本日も、古代・中世史研究家の倉西裕子が、記事を書かせていただきます。昨日、イエズス会イスラム教、道教に共通する「黒崇拝」について述べましたが、この黒崇拝は、ヴェネチアやヴァチカン(ローマ教皇庁)の「黒い貴族Black Nobles」を想起させます。黒い貴族とは、おそらく先祖を中東地域に遡る肌の色が浅黒い人々で、十字軍の時代頃からヴェネチアに居住し、貴族の称号を得るようになったことから、「黒い貴族」と称されるようになったとされております。この黒い貴族をめぐりましては、”イエズス会を創設した”、”東インド会社を設立した”、”英王室と密接な関係がある”、”世界金融の支配者である”、”イルミナティーである”、”統一教会などのカルト宗教団体をその配下に置いている”など、世界の闇の権力者であって、世界の破壊、もしくは、世界支配を狙っているとする諸説に溢れております。これらの説の信憑性の問題はさておきまして、ヴェネチアとの関連は注目されます。
 
十字軍時代、ヴェネチア商人や金融業者(その多くは所謂「ユダヤ人」)はモンゴルと密接な関係にあり、モンゴルの残忍な戦略の指南役となったり、奴隷貿易に従事することで巨万の富を得ておりました。ヴェネチアのこうした行動によって、ヨーロッパ文明、ヨーロッパ人が滅亡の淵に追い込まれたことは、本ブログにて再三にわたり指摘いたしました。キリスト教国でありながら、ヴェネチアは、同じキリスト教文明世界の存続よりも、自らの利益のみを追求したことになるのですが、その理由の一つとして、ヴェネチアキリスト教、並びに、ユダヤ教イスラム教化した、あるいは、逆に、イスラム教徒の商人やモンゴル・中国人の商人がキリスト教、並びに、ユダヤ教に改宗した可能性を指摘することができます。昨日、指摘いたしましたように、イスラム教は、国境の概念を持たない遊牧民族の間に起こった宗教ですので、暴力主義的拡張を容認しています。
 
仮に、このようなメンタリティーの人々が、「黒い貴族」となったのでありましたならば、今日、「黒い貴族」をめぐって、なぜ悪評や非難があるのかが説明され得ます。「黒い貴族」は、米国産業を崩壊させたとされる「新自由主義」や移民政策の推進者であるともされており、その思想の背景には、暴力主義的拡張の容認というイスラム教とも共通する基本的思考が見える気がするのです。

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(続く)