時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

ペリーの背景にあったイエズス会系カルト教団

 本日も、古代・中世史研究家の倉西裕子が、記事を書かせていただきます。幕末の米国政府による日本への開国要求は、イエズス会カルト教団を滅ぼすことを目的としていたのか、それとも、日本を開国させることで、イエズス会カルト教団が世界に向けてより活動しやすい体制を整えるためであったのか、そのどちらであったのか、この点は、米国政府の目的とペリーの目的とが異なっていた可能性を視野に入れながら検証を加えるべきであるかもしれません。そこで、まずもって、ペリーの背景や行動を調べて見ますと、はたして、以下のような不審な点を指摘することができます。
 
第一点は、ペリーがフリーメイソンであったことです。フリーメイソンは、ロスチャイルド家イエズス会を中心とした世界支配志向勢力が世界支配を行うために設立した団体であると考えられますので、米国政府とは別の指揮命令系統として、ペリーは、秘かにフリーメイソンの指示に従っていた可能性があるのです。
 
第二点は、米国側首席通訳の背景問題です。ペリーは、大西洋をわたり、アフリカ、インド、東南アジア、中国のマカオ、上海を経由して日本の浦賀に入港しますが、1853年にマカオにて、日本と開国交渉を行うための主席通訳を雇用しているのです。
 
先日述べましたように、マカオは、ザビエルの下腕下膊をミイラ化して保存していることに示されますように、16世紀以降、イエズス会系カルト教徒の多い地域であると考えることができます。そのマカオにて、ペリーは開国交渉のために雇った首席通訳は、サミュエル・ウェルズ・ウィリアムズ(Samuel Wells Williams)という人物です。ウィリアムズは、アメリカ合衆国出身の言語学者・外交官・宣教師・中国学者で、広州でキリスト教関連の出版物を普及することを通して、布教活動を行っていました。そのウィリアムズは、日本語を話すことができなかったにもかかわらず、ペリーによって、なぜか、主席通訳として雇用されているのです。その背景には、広州のイエズス会系カルト教があった可能性があります。
 
当時、清朝中国では、太平天国の乱(たいへいてんごくのらん)が発生しております。1851年に起こった大規模な反乱で、洪秀全を天王とし、キリスト教の信仰を紐帯とした組織太平天国によって起こされた乱なのですが、太平天国結成の背景には、広州のイエズス会系カルト教があった可能性を指摘することができます。太平天国の結成の経緯につきまして、wikipediaから引用させていただきますと、以下のようになります。
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広東省花県客家出身である洪秀全は、度々院試(科挙の初期段階)に失敗したため、約40日間病床に臥せっていたが、その間不思議な夢を見たという。その夢とは上帝ヤハウェと思われる気品漂う老人から破邪の剣を与えられ、またイエスらしい中年の男から妖を斬る手助けを受けたというものだった。洪秀全は病が癒えてからに受験で訪れた際、そこでプロテスタントの勧誘パンフレット『勧世良言』を入手し、以前に見た不思議な夢の意味を「理解」し、キリスト教に目覚めることになる。この不思議な夢とキリスト教の接合は、ロバート・モリソンが聖書を翻訳する際にゴッド(God)を音で表記せず、「上帝」という訳語を与えた為起こったと思われる。――

洪秀全は、まさに、マカオを中心とした広州の出身であり、洪秀全が入手したプロテスタントのパンフレットとは、まさにウィリアムズが布教に使っていたパンフレットのことであると推測することができるのです。当時、イエズス会は、カトリックから破門されていたこともあり、東インド会社プロテスタント組織に近づいていたと考えることができます。ウィリアムズもイエズス会と近い関係にあったのかもしれません。洪秀全も、もとより16世紀以降この地にあったイエズス会系カルト教徒であり、この時期に、ウィリアムズのようなプロテスタントの宣教師たちと結び、清朝打倒のための「太平天国」という組織をつくったではないか、と推測することができるのです。
 
このように考えますと、ペリーの来航をめぐる「太平の眠りを覚ます蒸気船」や「黒船来航」という表現は、これまでとは違った意味に響いてくるかもしれません。「日本国の太平(イエズス会系カルト教徒)の眠りを覚ます蒸気船」、そして「黒マリアの来航」という意味として。

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(続く)