時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

幕末史に影響を与えた太平天国はどのような組織か

 本日も、古代・中世史研究家の倉西裕子が、記事を書かせていただきます。日米和親条約ならびに、その後日本が英国、フランスなどと相次いで結んだ和親条約によって、各国政府から日本に派遣されてきたフリーメイソンたちが、日本国において比較的自由に活動を行うことができるようになり、日本国内に太平天国のような組織がつくられていったことは、幕末史を考える上で重要です。
 
では、その組織は、どのような組織であったのでしょうか。この点につきましては、太平天国の以下のような性格が参考になります。
 
1)軍隊組織的性格:太平天国は、団営という軍事組織を結成した。夫婦であっても厳しく男女を別ち、それぞれ男営・女営に入営させた。
2)一夫多妻:その幹部は、庶民には一夫一婦制を求めながら、旧約聖書における一夫多妻を理由に多数の妻女をもった。
3)盗賊団的性格:アヘン戦争戦後多くの匪賊(盗賊団)が横行し、これらを太平天国が吸収していた。
4)狂信的洗脳:成員間の結束は強固であり、死を恐れなかった。
5)共産主義的な社会の構成員の細胞化:夫婦であっても厳しく男女を別ち、それぞれ男営・女営に入営させ、皆兄弟姉妹であるという天下一家的な思想を主張していたことから、家族によって営まれる‘家庭生活’などといった概念が欠如し、個々人が細胞化していた。
6)武力容認:鉄砲や大砲等の武器を密造して革命の準備を進めた。 
7)男尊女卑:太平天国では男女平等を理念としていたかのように見えるが、実際には女科挙合格者が重用されなかったり、後に濫発された王位に一人の女性も含まれていなかった。
 
このような太平天国の組織の性格から、太平天国の性格は、キリスト教というよりも、‘偽ユダヤ教’の影響を受けたイエズス会、ならびに、イスラム教団に極めて近かったと考えることができます。すなわち、過去においてはイエズス会やモンゴル軍、今日においてはISやボコハラムなどのイスラム過激派組織と同じような性格を持っていたと推測することができるのです。そして、内戦を誘発し、国家、そして、世界を混乱に陥れる破壊力のある組織として、洗脳による家族的団結力で結束した団体ほど怖いものは無い、と言うこともできるでしょう。

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(続く)