時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

中国共産党は太平天国を衣替えしただけの組織

 本日も、古代・中世史研究家の倉西裕子が、記事を書かせていただきます。太平天国の以下のような性格は、キリスト教というよりも、‘偽ユダヤ教’の影響を受けたイエズス会、ならびに、イスラム教団に極めて近かったと考えることを昨日指摘いたしましたが、共産党との近似性も指摘することができます。
 
1)軍隊組織的性格:太平天国は、団営という軍事組織を結成した。夫婦であっても厳しく男女を別ち、それぞれ男営・女営に入営させた。
2)一夫多妻:その幹部は、庶民には一夫一婦制を求めながら、旧約聖書における一夫多妻を理由に多数の妻女をもった。
3)盗賊団的性格:アヘン戦争戦後多くの匪賊(盗賊団)が横行し、これらを太平天国が吸収していた。
4)狂信的洗脳:成員間の結束は強固であり、死を恐れなかった。
5)共産主義的な社会の構成員の細胞化:夫婦であっても厳しく男女を別ち、それぞれ男営・女営に入営させ、皆兄弟姉妹であるという天下一家的な思想を主張していたことから、家族によって営まれる‘家庭生活’などといった概念が欠如し、個々人が細胞化していた。
6)武力容認:鉄砲や大砲等の武器を密造して革命の準備を進めた。 
7)男尊女卑:太平天国では男女平等を理念としていたかのように見えるが、実際には女科挙合格者が重用されなかったり、後に濫発された王位に一人の女性も含まれていなかった。
 
すなわち、このような太平天国の性格は、1840年にカール・マルクスが『共産党宣言』を出版し、そこで主張している①共産主義以外の思想の排除(国民に対する狂信的洗脳の容認)、②労働者の団結(軍隊的組織の容認)、③女性の共有(一夫多妻の容認と男尊女卑)、④革命に際しての武力行使の容認(武力容認)、⑤私有財産の禁止(盗賊団的性格:私有財産の禁止は、他者の所有物の掠奪を意味する)、⑥社会による子供の教育を通しての家族の否定(共産主義的な社会の構成員の細胞化)、といった点を想起させるのです。
 
 このような共通点は、今日におきましても、中国共産党政権の性格を考える上で重要です。すなわち、太平天国は、中国共産党に衣替えしただけであり、その背後には、同じ勢力、おそらくは、世界支配志向勢力の思想的、政治的影響を窺うことができるのです。換言いたしますと、太平天国的性格の組織はすべて、世界支配志向勢力がつくる傀儡政権の性格を有していると、言うことができるのです。
 
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(続く)