時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

マルクス・フリーメイソン・ロスチャイルドを繋ぐ線

 今日も、古代・中世史研究家の倉西裕子が記事を書かせていただきます。マルクスが12歳から通いはじめたカトリック系(イエズス会系)のギムナジウムの校長のヴィッテンバッハは、フリーメイソンでありました(徳永恂、『ヴェニスのゲットーにて』、みすず書房、1997年、頁168)。このことは、マルクスの背景には、フリーメイソンがあった可能性を示しております。
 
フリーメイソンにつきましては、本年2月10日付本ブログにて、ジョージ4世こそが、記録上明確な最初のフリーメイソンリーの英国王でもあり、彼の即位をもってイギリス・フリーメイソンは名実ともにイギリス社会の正統・本流的存在になったと述べました。シオニストをも自称するフリーメイソンの創立時期については不明ですが、近世以降に成立した点を踏まえますと先祖伝来のユダヤ人よりも、むしろネオ・ユダヤ人との関連の方が強いのかもしれません。その父であるジョージ3世(在位:1760~1800年)の王妃は、ネオ・ユダヤ人の影響の強いメケレンブルグ公国の出身のシャーロットであり、ロスチャイルド家が、ナポレオン戦争を通して英王室や英国の社会・経済に影響を持つようになるその第一歩となったと考えることができます。
 
本ブログにて再三にわたって‘ユダヤ人’には、「先祖伝来のユダヤ人」と、モンゴル系・隠れイスラム教系の「ネオ・ユダヤ人」の区別があることを指摘しておりますが、「白いユダヤ人」と「黒いユダヤ人」の成立過程を踏まえますと、「先祖伝来のユダヤ人」が「白いユダヤ人」であり、「ネオ・ユダヤ人」が「黒いユダヤ人」であると大まかには整理することができそうです。
 
これまでフリーメイソンとは、啓蒙思想を基盤とした何らかの知的組織体であると考えられてきました。しかしながら、「黒いユダヤ人」問題を踏まえますと、フリーメイソンとはロスチャイルド家を筆頭とする「ネオ・ユダヤ人」あるいは「黒いユダヤ人」との癒着したことにより、他者の権利や人道に対する意識が低く、既存社会の公序良俗を破壊するための組織へと変貌した可能性を指摘することができましょう。

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(続く)