時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

フランス革命を残虐化させたのはイルミナティー?

今日も、古代・中世史研究家の倉西裕子が記事を書かせていただきます。「カルマニョール」が、イルミナティーの下部組織であるがゆえに、やがて国際組織化していっていた点をディケンズの『二都物語A Tale of Two Cities』は、道路人夫(「ジャック」の一人)の目撃談として、以下のように表現しています。
 
――その彼(道路人夫のジャック)にも、このごろは、ときどきふと働きの手を休めて、あたりの景色に目をやったときなど、妙に荒くれた男の姿が、どんどん早足でやって来るのを見かけることがある。もちろん以前には、めったに見かけない風体だったが、それがこのごろでは実にしょっちゅうなのだ。しかもそれが近づいてみると、決ってもじゃもじゃ髪の、まるで野蛮人よろしくといった風体の男、そして道路人夫の目にさえいかにも不恰好に見える、途方もない木靴をはいている。真っ黒な顔をした、恐ろしい人相の荒くれ男。…(中略)… 初めて彼(荒くれ男)は口を開いて、ひどくわかりにくい方言で言った。
「どうだな、ジャック?」
「ありがとう、ジャック」
「じゃ、ほら、握手だ!」(中野好夫訳『二都物語』、新潮文庫、頁81・82)――
 
「方言(外国語訛り)」を使用している点、ならびに、「ジャック」という洗礼名の合言葉で、道路人夫と仲間同士であることを確認している点から、‘荒くれ男’は、近隣諸国からパリの「カルマニョール」を支援・増強するために続々とフランス国内に入って来たイルミナティーの下部組織のメンバーであったと考えることができます。このような人々は、サン・タントアーヌの住民に輪をかけて野蛮で残忍な人々であったようであり、フランス革命が、過激化、残虐化していった原因ともなっていると推測することができるのです。
 
ディケンズの『二都物語』がドキュメンタリー的、あるいは、ノンフィクション小説的な性格を有している点を踏まえますと、フランス革命前夜、イルミナティーは、フランス革命を起こすことで、人類を非文明化、動物化し、神をも否定するために、未開地域の野蛮人の中でも特に最も残忍な性格を持ち合わせている人々を選りすぐって集め、フランスに送り込んでいたとする仮説は、あながち否定できないのではないでしょうか。

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(続く)