時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

芥川龍之介はイルミナティー問題を知っていた?

  今日も、古代・中世史研究家の倉西裕子が記事を書かせていただきます。芥川龍之介の父親(新原敏三)が、幕末に維新勢力として活動した「御盾隊」という長州藩の組織の隊士であったことは、あまり知られておりません(芥川龍之介は、母の実家の養子となったことから芥川姓となっている)。
 
昨日、薩長を中心とした勢力による明治維新の背景には、イルミナティー(黒いユダヤ人)の国際組織が深くかかわっている可能性を指摘いたしました。芥川の父親と長州との接点こそ、なぜ、芥川の作品には‘キリシタンもの’が多く、イエズス会をめぐる暴露的内容となっているのかを説明するかもしれません。
 
芥川龍之介の短編小説には、『煙草と悪魔』という短編の作品があります(本年5月23日の記事にて既に言及)。この小説には、「悪魔なるものは、天主教の伴天連か(恐らくは、フランシス上人)がはるばる日本へつれて来たさうである」という、興味深い一文を見出すことができます。この小説こそ、イエズス会によるキリスト教の伝来とは、その実、キリスト教の仮面を被った悪魔の到来であり、イエズス会の裏の顔を暴いているとも言えます。また、南京の基督教信者の遊女について扱っている『南京の基督』は、イエズス会と遊女組織との関連も示唆する内容となっております。さらに、『きりすとほろ上人伝』では、善悪の判断能力がまったく欠如しており、常に‘強い者に味方する’という野蛮人における奇妙なキリスト教信仰問題を扱っており、そこには、キリスト教と言うよりも、イエズス会の解釈による‘キリスト教’への皮肉が込められているとも推測されるのです。
 
当時イルミナティーの本部があったと推測される英国ロンドンに留学していた夏目漱石は、芥川の‘キリシタンもの’を特に高く評価していたそうです。おそらく、芥川は、長州の御盾隊、すなわち、イルミナティーの下部組織の隊士であった父親を通して、イルミナティーを中心とする国際組織の情報に通じていたのでしょう。そして、その危険性を、小説という形で暗に世に知らしめたとも考えられるのです(夏目漱石は、ロンドンでイルミナティー問題を知り、そのために精神に異常を来したのかもしれません)。

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(続く)