時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

ビット・コインはイルミナティーの謀略か

  今日も、古代・中世史研究家の倉西裕子が記事を書かせていただきます。『旧約聖書The Old Testament』「出エジプト記The Book of Exodus」に登場する謎の物体、「マンナmanna」は「私鋳貨幣private minting money」であるとする説を昨日提起させていただきました。その理由として以下の点も加えることができます。
 
ギゲス以来(BC.660)、多くの諸国で金や銀といった万人の認める希少金属を鋳造したコインが、公定通貨として使用されてきました。公定通貨、即ち、為政者が通貨価値にお墨付きを与えようとした事例は、逆から見れば、如何に通貨価値を維持することが、困難であったかをも示しています(民間に任せると、コインに含まれる金や銀の含有量がまちまちになり、通貨価値が安定しない・・・)。
 
公定通貨の登場以前にあって、古代ヘブライ人が、「私鋳貨幣private minting money」によって生計を立てることができた理由は、「私鋳貨幣private minting money」を広く流通させることに成功し、その発行主となったとする推測は、奇跡というよりも、最初に通貨の重要性に気が付いたからなのかもしれません。まさに、古代ヘブライ人にとって、「マンナmanna」は、‘神からの賜りもの’として認識されたと考えることができるのです。今日では、中央銀行も設けられ、非兌換紙幣の時代へと移行したものの、こうした通貨制度を媒介とした経済のメカニズムにつきましては、人智を超えたような力によって機能しているかのごとくに見えます。否、貨幣が世界を支配しているかのようです。
 
そして、私鋳コインに関するヘブライ的発想は、ビット・コインをも想起させます。ビット・コインの発行主は正体不明な面がありますが、ヘブライ的発想から、イルミナティーである可能性もあり得ないわけではありません。『旧約聖書The Old Testament』「出エジプト記The Book of Exodus」は、イルミナティーの経典でもあるはずです。しかしながら、イルミナティーが『旧約聖書』を恣意的に誤解釈してきた集団であることを踏まえますと、ビット・コインは、「私鋳貨幣private minting money」を悪用した「悪魔の見えざる手」である可能性もあり、ビット・コインにつきましては、十分に注意する必要があるでしょう。

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(続く)