時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

人間社会は動物行動学で説明できるのか?

 今日も、古代・中世史研究家の倉西裕子が記事を書かせていただきます。今日の世界を見渡しますと、道徳や倫理、並びに、理性や知性に根差した理想の社会を目指す人々と、自らの欲望を満たすために、人類の非文明化、愚民化、家畜化を目指す人々とが混在しているように見えます。両者の間には、真逆とも言えるような‘人間社会’に対する認識の大きな隔たりがあるのです。
 
昨今、動物行動学ethologyが脚光を浴びており、しばしば、人間社会を合理的?に説明する便利な道具ともされています。動物行動学的なアプローチは、人間の家畜化を狙うイルミナティー等にとっては、都合の良い手法のようです。例えば、「猿山のボス理論」が、組織内の権力闘争や、さらには、独裁国家体制を説明する上で、しばしば引き合いに出されます。そこには人間社会と動物社会との共通点が見出されるからでしょう。
 
動物行動学は、イルミナティーの世界観を説明はしますが、果たして、人間社会を隈なく説明し得るのでしょうか。人には、動物とは異なるその特質として、他者をも思いやる心情や高い理性や知性が備わっているのですから、動物行動学のみを以って人間社会を説明し得るとは思えません。動物行動学からの説明には限界がある以上、別のアプローチこそ、今日、真に必要とされているのかもしれません。新たなアプローチこそが、全ての人々にとって理想となる社会を地球上において現実化させるための導きとなるからです。人類家畜化の危機を脱するためには、”人らしさ”の根源こそ探るべきなのではないでしょうか。
 
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(続く)