時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

謎が謎を呼ぶ「切り裂きジャック事件」

 今日も、古代・中世史研究家の倉西裕子が記事を書かせていただきます。昨日放映されたヒストリーチャンネルの『アメリカン・リッパーAmerican Ripper』は、謎が謎を呼んでいると言える内容でした。それは、以下の点によります。
 
1)逮捕当時のホームズの所持品が発見されており、その中に、ロンドンの「切り裂きジャック事件」の被害者であるエリザベス・スライドの肖像写真が含まれていた。エリザベスの殺害直前の状況は、Wikipedia(英語版)によると、以下のようになる。
 
――午後11時頃、ベルナール通りで、彼女は、喪服を着て、山高帽を被った背が低く、黒ひげの顧客、11時45分頃にはひさしのある帽子を被った顧客と一緒のところを目撃されていたかもしれない。午前12時35分、警察官のウィリアム・スミスは、ホワイト・チャペル地区のベルナール通り40番地の「国際労働者教育倶楽部」、すなわち、社会主義者で有力ユダヤ人の社交倶楽部の建物の反対側で、硬いフェルト帽を被った男と一緒の彼女を目撃した。その男は45cmの長さの箱を持っていた。

Shemay have been seen with a client, a short man with a dark moustache wearing amorning suit and bowler hat, at around 11:00 p.m. near Berner Street, and againat about 11:45 p.m. with a man wearing a peaked cap. At 12:35 a.m., PC WilliamSmith saw her with a man wearing a hard felt hat opposite the InternationalWorking Men's Educational Club, a socialist and predominantly Jewish socialclub, at 40 Berner Street (since renamed Henriques Street) in Whitechapel. Theman was carrying a package about 18 inches (45 cm) in length.――

 
この直後、エリザベス・ストライドは、ベルナール通りで喉を欠き切られるという残忍な方法で殺害されており、その際、エリザベスが自らの肖像写真を携行していたとは考えらない。このことから、ホームズは、通りすがりに、すなわち、無差別にストライドを殺害したわけではなく、何らかの目的で、ストライドをターゲットに定めて計画的に殺害していたと推測される(ストライド写真は、ターゲットの確認のためか?)。
 
2)ホームズは、墓所として隣り合った2か所を購入しており、その二つの墓の真ん中に自らの棺を納めるようにとする奇妙な遺言をしていた。
3)絞首刑にされたはずのホームズが実は存命していたという仮説を証明するために、調査チームがホームズの墓を暴いたところ、なぜか棺が三つ重なっており、その最下の棺からのみ一体の人骨が発見された。
4)逮捕時のホームズの容姿の記録から、ホームズの身長は170cmで細身であったとされるが、発見された人骨は、ペンシルバニア大学の調査によると162cmから165cmで、しかもがっしりした骨格の人物と推定された。また、首の骨には絞首刑にされた痕跡もなかった(ただし、痕跡の無い場合もあるとのこと)。このことから、ホームズは複数存在していたとも考えられる。
5)発見された人骨のDNAとホームズの玄孫のDNAとの比較鑑定による人骨の身元確認が、ロンドン大学キングスカレッジにおいて行われたが、結果はDNAの一致を示した。ホームズは、絞首刑を偽装して生存していたとする説を否定する結果となったが、逮捕・絞首刑時の身長170cmで細身のホームズは誰か、ということにもなる。
 
このように、「切り裂きジャック事件」と「アメリカン・リッパー事件」との関連が明らかになるにつれ、謎が謎を呼んでいるのです。この両事件にはイルミナティーという国際組織が関わっている可能性が高いことは、真相の解明が、いかに困難であるのかを示していると言えるでしょう。

 

 

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(続く)