時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

『二都物語』の時代を映す英王室の命名

  今日も、古代・中世史研究家の倉西裕子が記事を書かせていただきます。27日に発表された英国ウィリアム王子の第三子の名前が、「ルイLouis」というフランス風の名前である理由をめぐって、さまざまな憶測があるようです。例えば、JK・ローリングさん作の人気児童小説「ハリー・ポッター」シリーズの公式サイト「ポッターモア」は、ルイ、アーサー、チャールズはすべて、同シリーズに登場するウィーズリー家の人物の名前だと指摘し、「あなたはウィーズリー家を象徴する3人に由来する名前を授かった」とツイートしているそうです。
 
しかし、英仏両国と関連した命名である点を踏まえますと、むしろ『二都物語』に注目すべきであるかもしれません。ウィリアム王子夫妻の3人の子女、「ジョージGeorge」、「シャーロットCharlotte」、「ルイLouis」のすべてが、フランス革命期の英仏両国の国王と王妃の名前であるからです(フランス革命期のフランス国王は、ルイ16Louis XVI(在位:1774510 - 1792810日)、英国王はジョージ3世(在位:1760~1800年)、王妃はシャーロットSophia Charlotte of Mecklenburg-Strelitz)。ディケンズの『二都物語A Tale of Two Cities』の2つの都とは、このフランス革命期のロンドンとパリのことであり、物語はロンドンとパリに支店を持つ「チャイルド銀行Child & Co.」という実在していた銀行をモデルとして、その大口顧客でもある「ルーシー」という名の女性を取り巻く男性たちの運命を中心に展開してゆくことになります。
 
本ブログにおきまして、再三にわたり指摘しておりますように、『二都物語』と「黒いユダヤ人」の国際組織であるイルミナティーとの間には密接な関連を指摘することができます。「イルミナティー」も「ルーシー」も、光を意味している点を踏まえますと、英王室メンバーの命名の背景には、イルミナティー問題があると推測することができるかもしれません。果たして、第四子には、マリー・アントワネットに因み「メアリー」と命名するのでしょうか。
 
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(続く)