時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

コナン・ドイルの『緋色の研究』はイエズス会の暴露本?

  今日も、古代・中世史研究家の倉西裕子が記事を書かせていただきます。『二都物語A Tale of Two Cities』に登場する「ルーシーLucie」という女性の名と「イルミナティIlluminate」が‘光’を意味し、ルシファーの思想、すなわち、悪魔思想との密接な関係がある可能性を指摘いたしました。このような推測は、本ブログで扱いましたアーサー・イグナティウス・コナン・ドイルArthur Ignatius Conan Doyle1859522日 – 193077日)のシャーロック・ホームズシリーズの『緋色の研究A Study in Scarlet』の最重要人物である女性の名も「ルーシーLucie」であることによっても補われます。
 
英米を舞台とした『緋色の研究』とイルミナティーとの関連につきましては、本年1月30日から2月2日にかけての本ブログにて扱っておりますが、Wikipediaによりますと、コナン・ドイルは、以下の点からイルミナティーを構成する主要3勢力のうちのイエズス会のメンバーであったと推測することができます。
 
1)ドイルのミドルネームの「イグナティウスIgnatius」は、イエズス会創始者であるイグナティウス・ロヨラに因んでいると考えられる。
2)ドイルは、イエズス会系の寄宿学校ホダー学院に入学し、1870年にはその上級学校であるストーニーハースト・カレッジに進学し、1875年にはドイツ語の勉強も兼ねてオーストリア・フェルトキルヒにあるイエズス会系の学校に1年間留学している。
3)190010月の総選挙にドイルは、自由統一党からの出馬して落選するが、その理由が、選挙日前日に福音派信者がドイルのことを「教皇派共謀者」「イエズス会密使」「プロテスタント信仰破壊者」と誹謗中傷するプラカードを持って行進したことにあることとされていることは、ドイルが、いかにイエズス会に近い人物であったのかを示している。

4)1908年にスコットランドで発生したオスカー・スレイター事件The Case ofOscar Slater)において、ドイルは、犯人とされたユダヤ系ドイツ人のオスカー・スレイターの冤罪を主張する活動を行っている。オスカー・スレイターは、その風貌から「黒いユダヤ人」であったと推測される。

 
このような点から、ドイルは、イルミナティー(イエズス会)のメンバーであったと考えられ、『緋色の研究A Study in Scarlet』の主人公の女性が、『二都物語』と同じ「ルーシー」であることには、何か隠された意味があると考えることができるのです。そして両「ルーシー」には、以下の共通点があります。
 
1)両ルーシーとも、比類なき美しい少女であったと設定されている。
2)両ルーシーとも、敬虔なキリスト教徒であり、心やさしく道徳心に厚い人物として設定されている。
3)周囲の複数の男性の命運が、ルーシーをめぐって展開してゆく。
 
両小説とも、「ルーシー」を純粋で、道徳心に厚く、心優しく極めて美しい女性として設定しておりますが、それは、ディケンズとドイルが、敢えてイルミナティーの性格の真逆の存在として「ルーシー」を設定したからであると言うことができるかもしれません(真逆に設定した理由は、明日の本ブログにて扱います)。
 
「緋色Scarlet」は、カトリック枢機卿の服の色であることから転じて、カトリック界を意味するとともに、「非道徳immorality」や「宗教的罪sin」、特に、「不義密通adultery」、もしくは、「売春婦prostitution」を意味する言葉でもあります。イエズス会は、戦国時代に、色の白い日本人女性を奴隷として海外に売り飛ばし、また、芥川龍之介が、南京の基督教の売春婦をモデルに小説を書いておりますように、奴隷貿易や非道徳的な職業に関わっていたようです。このように考えますと、ドイルの『緋色の研究』とは、‘イエズス会の研究’のことであり、その内情を暴露したような小説であったとも考えることができるのです(小説に登場するモルモン教団には、カトリック教会が重ねられている?)。
 
また、この点は、ロスチャイルド家、すなわち、イルミナティーの躍進の契機となったと考えられるロシアのエカチェリーナⅠ世が、出自不明の従軍慰安婦から皇帝となったモンゴル系の女性であることをも想起させます。「ルーシー」は、ロシアという国名も想起させますが、モスクワ大公国の支配領域が、「ルーシの国」を意味する「ロシア」との名称で呼ばれるようになり始めたのは、キプチャク・ハンの血を引くイヴァン4世の頃の16世紀であったと言われております。
 

本日、5月1日は、イルミナティーの創設記念日ですが、イルミナティーの思想とその歴史の根深さを踏まえますと、祝うどころか忌むべき日となるのではないでしょうか。

 

よろしければ、クリックをお願いいたします。

 

[https://blog.with2.net/link/?626231 人気ブログランキング] 

 
(続く)