時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

イルミナティーはフランケンシュタインか?

 今日も、古代・中世史研究家の倉西裕子が記事を書かせていただきます。イルミナティーの結成の地が、インゴルシュタットIngolstadtであることは昨日扱いました。遅くとも9世紀に遡って「黒いユダヤ人」と関連の深い土地柄であったことが注目されてくるわけですが、この点と関連して、インゴルシュタットが、メアリー・ウルストンクラフト・ゴドウィン・シェリMary Wollstonecraft Godwin Shelley 30 August 1797– 1 February 1851)の小説、『フランケンシュタインFrankenstein』の舞台であることは、何かを意味しているのかもしれません。ゴドウィン女史は、科学者のヴィクター・フランケンシュタイン博士は、インゴルシュタットで、怪物を作ったと設定しているのです。
 
それでは、フランケンシュタイン博士によってつくられた怪物とは、どのような怪物なのでしょうか。フランケンシュタイン博士は、「理想の人間」を作ろうとして、様々な死体を繋ぎ合わせるのですが、その結果、それは、極めて醜い怪物となり、人々から嫌われるところとなります。その復讐として次々に人々を殺害してゆくという恐ろしい怪物なのです。
 
イルミナティーが、①人類の大量虐殺を目的として活動している秘密結社である点、②様々な民族と混血している寄せ集めの「黒いユダヤ人」である点、③「フランケン」という名は、カトリックのフランシスコ派を想起させる点、④一般の人々から嫌われてきた点、⑤その創始者をアダム・ヴァイスハウプトとしており、アダムという名が、『フランケンシュタイン』の怪物の創造が、アダムの創造に題材を取っていることと繋がる点を踏まえますと、ゴドウィン女史は、イルミナティーを怪物に喩えて『フランケンシュタイン』を書いたという仮説は、あながち否定できないのではないでしょうか。

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(続く)