時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

『フランケンシュタイン』はロシアの悲劇を予見?

  今日も、古代・中世史研究家の倉西裕子が記事を書かせていただきます。シェリー女史の『フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウスFrankenstein: or The ModernPrometheus』の結末も、イルミナティーにその題材を採っていることを示唆しているかもしれません。Wikipedia(日本語版)によりますと、あらすじは以下のようになります。
 
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小説は、北極探検隊の隊長ロバート・ウォルトンが姉に向けて書いた手紙という形式になっている。ウォルトンは北極点に向かう途中、北極海で、衰弱した男性を見つけ、彼を助ける。彼こそがヴィクター・フランケンシュタインであり、彼はウォルトンに自らの体験を語り始める。
 
スイスの名家出身の青年、フランケンシュタインは科学者を志し故郷を離れてドイツの大学で自然科学を学んでいた。だが、ある時を境にフランケンシュタインは、生命の謎を解き明かし自在に操ろうという野心にとりつかれる。そして、狂気すらはらんだ研究の末、「理想の人間」の設計図を完成させ、それが神に背く行為であると自覚しながらも計画を実行に移す。自ら墓を暴き人間の死体を手に入れ、それをつなぎ合わせることで11月のわびしい夜に怪物の創造に成功した。
 
誕生した怪物は、優れた体力と人間の心、そして知性を持ち合わせていたが、筆舌に尽くしがたいほど容貌が醜いものとなった。そのあまりのおぞましさにフランケンシュタインは絶望し、怪物を残したまま故郷のスイスへと逃亡する。しかし、怪物は強靭な肉体のために生き延び、野山を越え、途中「神の業(Godlike science)」 である言語も習得して雄弁になる。やがて遠く離れたフランケンシュタインの元へたどり着くが、自分の醜さゆえ人間達からは忌み嫌われ迫害され、孤独のなか自己の存在に悩む怪物は、フランケンシュタインに対して自分の伴侶となり得る異性の怪物を一人造るように要求する。怪物はこの願いを叶えてくれれば二度と人前に現れないと約束するが、さらなる怪物の増加を恐れたフランケンシュタインはこれを拒否する(フランケンシュタイン・コンプレックス)。創造主たる人間に絶望した怪物は、復讐のためフランケンシュタインの友人や妻を次々と殺害する。憎悪にかられるフランケンシュタインは怪物を追跡し、北極海まで来たが行く手を阻まれ、そこでウォルトンの船に拾われたのだった。
 
全てを語り終えたフランケンシュタインは、怪物を殺すようにとウォルトンに頼み、船上で息を引き取る。また、ウォルトンは船員達の安全を考慮して、北極点到達を諦め、帰路につく。そして、創造主から名も与えられなかった怪物は、創造主の遺体の前に現れ、彼の死を嘆く。そこに現れたウォルトンに自分の心情を語った後、北極点で自らを焼いて死ぬために北極海へと消える。怪物のその後は誰も知らない。
 
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このようなあらすじは、シェリー女史が、イルミナティーと北極圏との間に何らかの関連を認識していたことを示唆しております。そこで、思い起こされるのが、マルコ・ポーロが『東方見聞録』に、チンギス・カンGenghis Khanの一族が、もとは北極圏に住んでいた非文明人であったと記録していることです(丸い家の形などの共通性などから、恐らくはエスキモー系の部族)。ロスチャイルド家チンギス・カン一族との関連は、本ブログにて再三にわたって指摘している通りであり、怪物が、北極圏に向かうというあらすじは、怪物のモデルがロスチャイルド家である可能性を示唆していると言うことができるでしょう。
 

そして、怪物は、口では、焼身自殺をすると言いながら、その行方がようとして知れない点は、イルミナティーの脅威への反応として、イルミナティーの世界支配計画を暴露するという形で、1900年代にロシアの新聞社が『シオンの議定書The Protocols of the Elders of Zion』を紙上に掲載した点が想起させます。すなわち、『フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウスFrankenstein: or The ModernPrometheus
』は、ロスチャイルド家の出自を暴露しているとともに、ソ連邦の成立など、シベリア・アジア北東地域においてイルミナティーが、その活動を活発化させることを予見しているかのような小説でもあると言えるのです(あたかも、チンギス・カンの再来のように、ソ連邦によって、夥しい数のロシア人が虐殺されている)。
 
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(続く)