時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

ヒトラーのハーケンクロイツの「裏」の意味

  今日も、古代・中世史研究家の倉西裕子が記事を書かせていただきます。ナチス・ドイツと言いましたならば、そのシンボル・マークとして、鉤十字(ハーケンクロイツ)がよく知られております。ヒトラーが、なぜ、鉤十字を採用したのかは謎ですが、このナチスハーケンクロイツは、1918年にバイエルンミュンヘンで結成された秘密結社であり、国家社会主義ドイツ労働者党(ナチ党)の母体の1つともなったトゥーレ協会 Thule-Gesellschaftのエンブレムである鉤十字(ハーケンクロイツ)に酷似しております。このことから、ヒトラーは、トゥーレ協会のエンブレムを借用したと考えられております。では、トゥーレ協会とは、どのような秘密結社なのでしょうか。
 
Wikipedia(日本語版)によりますと、「表向きの協会の目的はゲルマン古代の研究であったが、実際にはゲルマン騎士団員ギド・フォン・リストによって神智学を元に提唱されたアーリア主義を範として、民族主義と結びついた異教的神秘主義・人種思想・反ヴァイマル共和国的扇動、反ユダヤプロパガンダを広めることだったとも、あるいはそうした民族主義団体を表向きの活動として掲げる一方、秘密のセクションを設けて、そこに集めた学者達に騎士団の依頼でアジア(インド北方から中国南西部にかけて)の古代遺跡や古記録保存所から発掘した文献類を分析・研究させていたとも言われている」そうです。
 
表向きは、アーリア主義を唱えながら、秘密セクションを設けてインド北方から中国南西部、すなわち非アーリア地域の調査を実施していた点から、トゥーレ協会には、「表」と「裏」があったと推測することができます。では、その「裏」とは、どのような「裏」であると考えられるでしょうか。
 

そこで注目されるのが、「トゥーレThule」という名称は、ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの『ファウスト』『トゥーレの王』にも登場する伝説の地「トゥーレ」から命名されていることです。その伝説の地とは、ストラボンStrabo(紀元前63年頃 - 23年頃)によれば、氷に閉ざされた北極圏の‘最北の果て’にあるとされております。ここで思い起こされるのが、シェリー女史の『フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウスFrankenstein: or The ModernPrometheus』に登場するフランケンシュタインの怪物の結末です。怪物は北極圏、すなわち、‘最北の果て’に姿を消すのです。

 
この点につきまして、7月5日付本ブログにて、「このようなあらすじから、シェリー女史が、イルミナティーと北極圏との間に何らかの関連を認識していたことを示唆しております。そこで、思い起こされるのが、マルコ・ポーロが『東方見聞録』に、チンギス・カンGenghis Khanの一族が、もとは北極圏に住んでいた非文明人であったと記録していることです(丸い家の形などの共通性などから、恐らくはエスキモー系の部族)。ロスチャイルド家チンギス・カン一族との関連は、本ブログにて再三にわたって指摘している通りであり、怪物が、北極圏に向かうというあらすじは、怪物のモデルがロスチャイルド家である可能性を示唆していると言うことができるでしょう」と述べました。
 
ヒトラーは、ロスチャイルド家庶子か孫であるという信憑性の高い説があります。仮に、この説が正しければ、「トゥーレThule

」は、ロスチャイルド家を意味し、「蒼い狼」と称されたチンギス・ハンに因んで、「アドルフ(狼)」と名付けられたという仮説は、強ち否定できないような気がいたします。すなわち、、ハーケンクロイツは、「裏」の意味として、ロスチャイルド家を表現していたのかもしれないのです。


 

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(続く)