時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

『2061年宇宙の旅』はオーウェルの『1984年』の続編?

 今日も、古代・中世史研究家の倉西裕子が記事を書かせていただきます。アーサー・C.クラーク氏Arthur C. CLARKEのSF小説、『2061年宇宙の旅2061: Odyssey Three』がイルミナティーによる世界支配の一端を描いていることは、この小説のタイトルによっても示唆されてまいります。
 
『2001年宇宙の旅』と同様に、『2061年宇宙の旅』と邦訳されておりますが、A Space Odysseyは、直訳すれば『2001年 -宇宙オデュッセイ』となり、2061: Odyssey Threeは、『2061年 -オデュッセイ3』となります。すなわち、本題は、それぞれ『2001年』と『2061年』であり、副題はそれぞれ「宇宙オデュッセイ」と「オデュッセイ3」となっていると言えるでしょう。
 
このような年代のみをタイトルとしたSF小説は、ジョージ・オーウェルGeorge Orwellの小説『1984年Nineteen Eighty-Four』を想起させるのではないでしょうか。すなわち、クラーク氏は、オーウェルの『1984年』を意識して『2001年』と『2061年』を著したと推測することができるのです。では、これらの年代のみをタイトルとした小説は、どのような点によって結ばれているのでしょうか。
 
『1984年』は、1984年の英国におきまして独裁政権が成立する悲劇が描かれております。その独裁者は、黒鬚を生やしているという容貌から、非ヨーロッパ系の人物であると推測することができます。イルミナティーが「黒いユダヤ人」の国際組織である点を踏まえますと、オーウェルは、1984年に英国でイルミナティーによる独裁政権が誕生することを予想し、その悲劇を『1984年』という小説で表現したと考えることができます。
 
そして、昨日、本ブログで扱いましたように、『2061年』では、2060年に「地球大統領」なるポストが設立されており、英国王が地球大統領に選出されております。クラーク氏は、フリーメイソン(実質的にイルミナティー)であった可能性は高いことを踏まえますと、イルミナティーは、地球に世界政府を樹立させ、その大統領に英国王を就けるという計画、すなわち、脚本をつくっており、クラーク氏は、婉曲に、その計画をSF小説として描いたかもしれないのです。
 
すなわち、両小説は、イルミナティーによる支配問題を扱っており、オーウェルの『1984年』の段階では英国国内の問題であったのが、クラーク氏の『2061年』では、世界レベルに拡大しているということになるのです。クラーク氏は、オーウェルの『1984年』の続編として『2001年』と『2061年』を著していた可能性を指摘することができるでしょう。

 
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(続く)