時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

政府の“人手不足論”は成り立たない

本日も、古代・中世史研究家の倉西裕子が、記事を書かせていただきます。入管法の改正が軍事目的であると考える理由は、入管法改正が矛盾に満ちている点にあります。そこで、その矛盾点を明らかとする必要があります。
 
入管法の改正の根拠は、“人手不足”ということになっておりますが、そもそも40万人もの日本人失業者がありながら、なぜ、政府は、“人手不足”と主張しているのか、その理由は、その数はわかりませんが、介護、建設、造船、外食産業、農業などを中心に、“人手不足”であると主張している企業が、実際に存在しているからであると考えることができます。
 
そこで、“人手不足”であると主張している企業は、どのような企業であるのか、この点につきまして、以下のように推測することができます。
 
人手不足と主張している企業は、高い人件費では採算が合わなくなることから、高い人件費が必要とされる日本人の失業者を雇うことができない企業である。現在、低賃金の外国人実習生問題が発生している原因もこの点にあるように、外国人実習生を受け入れているのは、こうした企業であり、ある程度の技能を取得しながらも5年で帰国する人々を永続的に確保したいと考えて、連立与党に政治的な働きかけを行い、入管法の改正を要請している。
 
他の理由による企業もあるのですが、まず、賃金問題で“人手不足”を主張している企業につきまして、今日は考えてみましょう。
 
こうした賃金問題で、入管法の改正を要請している企業は、当然、入管法の改正後も、外国人労働者が低賃金で働かなければ、採算は合わないことになります。ところが、入管法改正案は、1号外国人労働者の賃金を「日本人と同等、または、それ以上」と定めておりますので、入管法が改正されますと、むしろ逆に、企業経営が成り立たなくなるのです。
 
このように考えますと、入管法の改正は、低賃金の実習生として5年間に限って外国人労働者を受け入れてきた企業からの要請ではないことは確かです。また、仮に、入管法の改正後におきましても企業経営が成り立つと言うのでしたならば、それは、日本人の賃金水準の低下を意味いたします。すなわち、「日本人と同等、または、それ以上」という法文に反せずに企業経営を成り立たせるためには、日本人労働者と外国人労働者の両者ともに、低賃金とするしかないのです。入管法の真の目的は、日本人の賃金水準の低下であるとも推測することができるのです。
 
安倍政権は、デフレからの脱却と称して、日本人の賃金水準の引き上げをその政策として掲げてきておりますが、実際には、その逆である可能性すらあると言えるでしょう。日本における中産階級の消滅をも目的としているのかもしれないのです。
 
このように考えますと、“人手不足論”は成り立たず、入管法改正案の背後には、中国共産党政権、そして詐欺を得意としてきたイルミナティーがある可能性が高いことを踏まえますと、「21世紀の元寇」である「出入国管理及び難民認定法入管法)及び法務省設置法改正案」は、やはり廃案とすべきではないでしょうか。

 
よろしければ、クリックをお願い申し上げます。
 
 
(続き)