時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

外国企業の日本拠点化の脅威

  本日も、古代・中世史研究家の倉西裕子が、記事を書かせていただきます。全世界における移民問題の発生が、国境を越えた人の移動の自由という思想下における企業の雇用活動によって生じていることにつきましては、「米国大統領選挙は移民推進政策の問題点を世界レベルで議論すべき時期に来ていることを示している」と題しまして、2016年11月10日付本ブログにて以下のように指摘いたしました。
 
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本日も、古代・中世史研究家の倉西裕子が、記事を書かせていただきます。今回の大統領選挙が、移民推進政策が是か非であるのかをめぐる争いでもあった点を踏まえますと、移民問題につきまして、人類は、一応の普遍的な答えを共通認識として持つ必要がある、と言うことができるかもしれません。
 
今回の選挙をめぐる混迷は、国民間における目指すべき国家像の相違による国家分断・分裂の危機の恐ろしさも、示すことになった、と言うことができます。この分断は、続くことになるのか、否か、それは、その争点となっている移民推進政策が是であるのか、非であるのか、を論理的にはっきりさせることで、沈静化できる可能性があると言うことができます。
 
すなわち、ここで、移民推進派と移民反対派の目指しているそれぞれの国家像が、政治・経済も含めた世界の安定的発展と調和、治安の維持をも含む社会的秩序の維持に繋がる国家であるのか、否か、を普遍的問題として、議論すべきではないか、と思うのです。米国民主党政権EU首脳部が、そして、マスメディアが、移民推進派であるために、移民問題を議論することは、これまでタブー視されてきた感があります。しかしながら、人類の将来は、どうあるべきであるのか、を考える場合、やはり、この問題は、避けては通れないのではないでしょうか。
 
11月8日附け本ブログにて、経済面を中心に、移民の増加によってもたらされる危機について述べました。さらに、昨今の企業活動との関連で、企業誘致と同時に、その企業に雇用された外国人労働者がある纏まった単位で流入する結果、その地域に、言語、道徳観、社会通念、一般教養の異なる‘異文化の世界’が成立してしまう、という問題点を、今日は、指摘しておきたいと思います。
 
外国人労働者の多くは、故国の経済状態が悪いことから、故国へは帰りたがらないものです。仮に、本人やその子孫が、国籍を取得した場合、その人数は、ある纏まった単位ですので、移民受け入れ国の内部に、政治的権利を有する‘リトル移民送り出し国’が出現し、将来的には、その地域における人口比の逆転もあり得てしまうことになるのです。英国では、居住民の80%が、アジア系などの住民となってしまった都市もあると言います。
 
かつての海外進出企業は、現地の人々を雇用することで、その国の経済活動を発展させる役割をも担っておりました。しかしながら、昨今の企業活動は、現地の経済のみならず、政治にとりましても、移民受け入れ国側にあまりにも大きな問題をもたらしているのです。この点におきまして、「経済特区」をつくりますと、将来的に、‘リトル移民送り出し国’が成立してしまう危険は、さらに高まることになります。
 
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この記事を書きましてから、2年を経ておりますが、入管法の改正問題なども生じ、状況は、さらに悪化、深刻化していると言えます。外国企業や外国資本が、日本で起業したり、日本支社や日本法人を設立した場合、企業の雇用活動によって上述したリスクは増大し、入管法の改正によって、さらにそのリスクは高まります。
 
現に、本日の日本経済新聞に、「ベトナムIT,日本が中核」というタイトルで、IT(情報技術)サービスの再大手のFPTの、2020年までに日本におきまして技術者を3,000人増加し、日本をFPTの企業活動の拠点とする計画についての記事が掲載されておりました。これらの技術者が、高度技術者であった場合、家族帯同が許されること、そして、日本が恒久的拠点となることから、1万人以上のベトナム人が、日本国籍の取得を前提として、ここ2年以内に入国してくることになります。FPTは、韓国支社、中国法人、インドネシア法人をも有しておりますので、FPTとの雇用契約によって、これらの国々からも、多くの事実上の移民が日本に押し寄せてくる可能性もあると言うことができるのです。
 
入管法改正案の背後には、中国共産党政権、そして詐欺を得意としてきたイルミナティーがある可能性が高いことを踏まえますと、「21世紀の元寇」である「出入国管理及び難民認定法入管法)及び法務省設置法改正案」は、やはり廃案とすべきではないでしょうか。

 
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(続く)