時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

「禿頭=月の支配者=世界の支配者計画」のイルミナティーは太陽が嫌い?

本日も、古代史・中世史研究家の倉西裕子が記事を書かせていただきます。イルミナティーの「禿頭=月の支配者=世界の支配者計画」という構想は、イルミナティーが太陽を嫌っていることを意味しているかもしれません。
 
イエズス会創始者であるロヨラが、月を自ら、特に、自らの頭脳に譬えていたと推測いたしますと、月は太陽光を受けて輝いているわけですので、ロヨラは、太陽に対しても崇敬していたのではないか、と考えてしまいがちなのですが、必ずしもそうではないようなのです。
 
太陽をライバル視していた、もしくは、太陽を嫌っていたとも考えることができます。その第一の理由は、7世紀から15世紀にかけてのイスラム時代にイベリア半島に移住していた「黒いユダヤ人」達の出身地が、北アフリカ、中近東、西アジアといったイスラム帝国内であったことにあるようです。イスラム教は月崇拝ですので、イスラム教の影響を強く受けてバビロニアユダヤ人コミュニティーにおいて成立していた「隠れバビロニアユダヤ教」であったロヨラ達「黒いユダヤ人」は、もとより月崇拝であったと推測することができるのです。禿頭と月光との関連は、頭脳(悪知恵?)を重視していたロヨラが、たまたま禿頭であったことから、思いついたアイデアであるのかもしれません。
 
イスラム教が月崇拝である理由は、イスラム教の広がった地域の気候的特徴によって示唆されます。赤道に近いため、太陽は、砂漠化、干ばつ、大気の高温化、皮膚の黒褐色化をもたらすため、そこに住む人々にとりまして、必ずしもありがたいわけではなかったからであると考えられております。日中、太陽光を避けるために、人々が活発な活動ができないことが、社会的発展を遅らせた原因であることも、太陽が好まれない要因となっているのでしょう。
 
ロヨラの性格的問題として、自己愛が極めて強いことから、権力欲の強さに加えて、他者攻撃型であって、責任を他者に押しつけたり、他者を排除するという特徴があります(本ブログは、禿頭の人々を批判・非難しているわけではありません。本記事をお読みになりまして、お気を悪くされた方がおられますならば、まことに申し訳なく、お詫び申し上げます。すべての禿頭の人々が、ロヨラのようなルサンチマン的性格であるはずもなく、もとよりルサンチマン的性格の強いロヨラが、偶然に禿頭であったとから、「禿頭=月の支配者=世界の支配者計画」という奇妙で迷惑な構想を思いついたと推測しております)。
 
このようなロヨラの性格を踏まえますと、「すべては太陽のせい」であって「太陽が悪い」ということになるのでしょう。単純な思考的帰結ですが、案外、16世紀以降の世界史を考えるにあたり、この問題は重要であるのかもしれないのです。
 
イルミナティーの世界を表現したと推測されるアーサー・クラークArthur C. Clarke氏の『2061年宇宙の旅2061:Odyssey Three
』におきまして、太陽のライバルとして「ルシファー」という悪魔を意味する名を命名された恒星が登場することも、この点と関連があるのかもしれません。

 
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(続く)