時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

”ようこそ無党派層さん”の政策を

 戦後の日本の政治は、利益誘導型の利権政治とも揶揄されてきました。近年に至って、ようやく政策が選挙の争点となってまいりましたものの、まだまだ、その移行過程にあると言えましょう。

 ところで、この政策中心の選挙への移行は、表面的な変化にとどまらず、これまでの政党政治のあり方を根本的に変える力を秘めているかもしれません。それは、無党派層が大多数を占める状況にあっては、特定の支持団体向けに利権配分を約束しても、当選に必要な票を集めることが、もはやできなくなるからです。選挙に勝つためには、政党は、無党派層向けの政策、つまり、政治的な利権と無縁な一般の国民を対象とした政策を打ち出さざる負えなくなるのです。

 この変化によって、政治は、一部の支持団体から国民の方を向くことになりましょうし、国民も政治に関心を示すようになりましょう。そうして、このことは、政党にとっても朗報?となるかもしれません。利権漁りや集金に追われる必要はなくなり(お金のかからない政治!)、政策立案に集中することができるようになるからです。これからの日本政治のゆくへは、”ようこそ無党派層さん”の政策を、いかに国民に提示してゆけるのか、ということにかかっていると言えるかもしれません。