時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

テロ対策への協力は日本の信頼構築への道

 11月に期限が切れるテロ対策特別措置法の延長について、民主党の小沢代表は、既に反対を表明されているようです。しかしながら、アフガニスタンの国情が不安定な中で、テロとの戦いからいち早く退くことは、我が国が、国際秩序の安全に対する責務を自ら放棄することを意味してしまうのではないでしょうか。

 いかなる国も、国際秩序の安定と安全が確保されてこそ、自国の繁栄を築くことができます。特に、我が国は貿易立国であって、経済活動の多くを海外との取引に依存しています。こうした状況にありながら、自国のみの安全に終始し、国際協力は行わない、となりますと、自らを危険に晒しながら国際秩序の維持に努めている諸国に対して、面目が立たないことになりましょう。いわば、安全の”ただ乗り”をしてしまうことになるのです。

 国際秩序の安定のためには、それぞれの国々が負担を分かち合うべきであり、我が国が、他国から信頼を勝ち得るには、国際社会に対する貢献を積み上げることこそ肝要であると考えるのです。