時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

熱狂に潜む危険に注意!

 参議院選挙の結果、当初の予測どおりに民主党が躍進いたしますと、このブログ欄でも、あたかも革命熱に浮かれているかような、現政権に対する罵倒と怨嗟に満ちた記事が多く見られるようになりました。しかしながら、熱狂ほど人々の理性を狂わせ、判断を誤らせるものはありません。ここは、心して冷静さを取り戻すよう努める必要がありましょう。

 人間とは、熱狂の中に身を置きますと、物事を直視することできなくなりますし、ましてや、政策の内容や結果を吟味することなど到底できなくなります。さらに悪いことに、一たび敵のレッテルを張ってしまいますと、たとえ良い面も持っていたとしても、全く見えなくなってしまうのです。

 熱狂が過ぎ去り、通常の判断力を取り戻した時、本当の国益とは何か、そうして、国民のためになる政策とは何か、ということを考えてゆく好機が訪れます。この時こそ、我々日本国民は、知性を働かせ、論理的に政治なるものを追求して行かなくてはならないのです。それは、政権打倒”といった旧式のプロパガンダで扇動するするよりも、はるかに困難で険しい道のりです。

 この困難を乗り越えてこそ、日本の未来は開けるものと信じています。