時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

民主党は国連追従外交?

 テロ対策特別措置法の延長に反対する民主党のスタンスは、”対米追従外交”である、という一点に尽きるようです。しかしながら、民主党もまた、”国連追従外交”という、別の従属への道を歩もうとしているように見受けられるのです。

 国連追従外交が、不安定であり、かつ、かなり怪しげな方針である理由は、国連という組織の欠陥に根ざしています。民主的な国家とは異なって、国連をチェックする仕組みはありませんし、構成する諸国の価値観もばらばらです(国連人権委のメンバーを人権侵害国が占めるという前科あり・・・)。しかも、安全保障理事会では、民主主義や自由といった価値を共有していない中国が常任理事国の椅子に座っているのです。この国連という組織で決定される物事が、アメリカの決定よりも、常に人道的で平和的であり、かつ、倫理的に優れていると断定することは、果たしてできるのでしょうか。

 国連を持ち出して、人類共通の課題であるテロとの闘いからも撤退しようとする民主党の政策は、本末転倒であって、日本国を、誤った方向に歩ませる危険性を潜ませているように思えてならないのです。