時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

給油継続反対は日本孤立化政策?

 政治家とは、時に、一国の運命を担う決断をするものです。とりわけ、対外政策の判断に誤りがありますと、それが、自国の進路を著しく歪めてしまうことも歴史においては稀ではありません。今般、争点となっておりますインド洋における給油作業の継続の判断もまた、長期的に見ますと、歴史の転換点となるかもしれないのです。

 それでは、この転換点は、歴史の展開のどこに位置するのでしょうか。我が国が、かつて第二次世界大戦へと向かった要因の一つとして、第一次世界大戦後の国際的な孤立化があったと言われてきました。当時、我が国は、確かな同盟関係を他国と築くこともできず、また、国際的な信頼を勝ち得ることもできませんでした。この側面が教訓を残すとしたら、それは、第一に、現実に機能する同盟関係を維持すること、第二に、国際社会の信頼を構築すること、そうして、第三に、それを実際の行動で示すこと、ではないかと思うのです。もし、給油を継続しないとなりますと、我が国が失うものの方がはるかに大きいのでないでしょうか。

 短期的な国内の政権争いから、長期的な日本国の国益を損なってはならず、民主党の方々には、よくよく歴史を見透していただきたいと願うのです。