時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

日本国民には選択肢がなくなる?

 今月23日に予定されております自民党の総裁選は、麻生氏と福田氏との一騎打ちとなりそうです。新聞等の予測では、福田氏の方が有利との見方がなされておりますが、仮に、福田氏が党首に選出されるとしますと、幾つかの懸念があります。

 第一に、党首の変更によって、政策が大きく変わる可能性があることです。議院内閣制を採用している我が国では、原則として、衆議院における第一党の党首が総理大臣に選ばれることになります。国民は、政党、あるは、議員しか選択できませんので、誰が党首に選ばれるかによって(党内事情)、政策が選挙公約を逸脱して大きく変わることは、本来望ましくないのです。現在の政権は、日米同盟の尊重をマニフェストに掲げて選挙に勝利したのですから、党首交代で安易に政策を変えますと、国民の政治不信に拍車をかけることになりましょう。

 仮に、党首交代によって政策が変わるのであれば、衆議院選挙を行う方がよいことになるのですが、この選挙でも、日本国民には、対外関係における選択肢がなくなることになるかもしれません。これが、第二の問題点です。何故ならば、衆議院の早期解散となった場合、自民党民主党も、ともに”親中国”あるいは”親北朝鮮”のスタンスとなってしまうからです。 これでは、国民は、政策の選択をすることができなくなってしまいます。拉致事件も置き去りにされてしまうかもしれません。

 民主主義の国家でありながら、国民から離れたところで政治が動かされることは、あってはならないと思うのです。