時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

テロリストの恐怖による支配を許しますか?

 インド洋での給油活動の延長について、賛成派も反対派も、自らの主張にこそ正義があると信じています。現在、両者の議論がかみ合わないのは、何故、テロリストと闘うのか、という本質的な問題を論じていないからなのではないか、と思うのです。

 おそらく、反対派の人々は、戦争は”絶対悪”であって、テロとの闘いも武力行使を伴う限り、これもまた”悪”であると判断しているのでしょう。しかしながら、犯罪を取り締まるのに強制力を持つ警察組織が必要と同様に、国際社会において、武装して犯罪を働く国や組織に対しては、やはり、武力をもって闘うしか方法がありません。しかも、テロリストが国家権力を握りますと、国民は恐怖の中で生きなくてはならなくなるのです。武力行使は絶対悪という思い込みが、無辜の国民をテロリストに引き渡すことなれば、それもやはり、悪なのではないでしょうか。

 恐怖による支配ほど、国民にとって不幸なことはりません。テロリストが支配する国では、国民は、常に怯えながら生きなくてはならないのです。日本国もまた、国内事情に揺らぐことなく、人類の幸福のためにテロとの闘いへの協力を、惜しむべきではないと思うのです。