時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

日本国は軍事政権よりもビルマ国民の味方に

 中国のみならずインドまでもが、国連におけるミャンマー制裁に対して反対するようになったことは、まことに残念なことであり、アジアの将来を憂わざるをえません。終に、アジアにおいて日本国のみが、軍事政権反対の砦になりつつありますが、それとても、政権の判断によっては何時まで維持できるかわかりません。

 アジアの将来を思い描く時、誰も、各地に軍事独裁政権が乱立し、覇権主義国が周辺諸国を武力と狡知で従え、国民が抑圧されるるような姿を見たいとは思わないはずです。しかしながら、ビルマでの事件や北朝鮮の体制、さらには、中国の拡張主義に対して、どの国も、何も言わず、何もしない、ということになりますと、やがては、誰もが望んでいないアジアが将来出現するかもしれないのです。それは、わずかな変化を見逃し、政策判断の誤りが重ねた結果、突然に訪れるかもしれません。

 この最悪のヴィジョンに至ることを回避するためには、日本国は、政府をあげてビルマ民主化を支持し、支援を行う必要があります。それは、政治的な決断があれば、決して不可能なことではありません。目先の利益よりも、長期的な視点に立って、アジアの人々の幸福への道を開くようなアジア外交を進めるべきではないか、と思うのです。