時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

中国の防衛戦争は侵略戦争

 先日開かれました中国の共産党大会で、今後の軍事政策について、軍の近代化は自国の防衛を目的で行う、とするの方針が明らかにされました。一見、専守防衛とも受け取られるのですが、この表現は、中国が自国の領土と見なす地域については防衛戦争を遂行する、とする方針を明らかにしたとも取れるのです。

 中国が”自国の領土”と見なしている地域は、台湾をはじめとして、日本国に対して領有権を主張している尖閣諸島も含まれます。しかも、今後とも、国内法による併合という常套手段を用いれば、さらに”自国の領土”主張を拡大させる可能性もあるのです。当然、こうした行為は、国際法においては侵略行為に当たるにもかかわらず・・・。

 中国の活動家の船による尖閣諸島魚釣島周辺の領海侵犯事件について、中国政府は謝罪を拒んだと言う記事を読むにつけ、この心配が、杞憂でないことを思い知らされるのです。