時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

人権擁護法案は法の前の平等を踏みにじる

 鳩山法相は、これまで自民党内で否定的な意見が多数を占めてきた人権擁護法案の成立に前向きな姿勢を示していると言います。しかしながら、この法案は、法の前の平等を踏みにじり、国民による国民に対する監視体制(密告制度・・・)を作ることになるのではないか、と思うのです。

 何故ならば、本法案は、全国2万人を擁する人権委員会に準警察権を与えているからです。しかも、人権委員会に対して、一方的、かつ、主観的な申し立てを行うことが可能です。つまり、独立性を保障されながら中立公平ではない機関に国家権力の行使を認め、結果として、一部の人々に特権を与える内容を持つことになるのです。本来、個人の自由と権利は平等に保障されるべきであって、どんな理由があったとしても、法の前の平等は守られなくてはなりません。この平等原則は、ひと度崩れますと、人々の関係は不自然にぎくしゃくし、社会全体が、溌剌とした生命力を失うことになりましょう。国民の自由と権利に直接っ変わり、かつ、国民の大多数が反対している法案については、政府は、見送るべきではないかと思うのです(本当は国民投票がふさわしい)。

 全国レベルの法案に先駆けて、鳥取県で人権擁護条例が施行されましたが、現在では停止状態にあると言います。同時期に、鳥取県は人口減少率が全国一であるという報道もあり、この条例との関連性を思わず疑わざるを得ませんでした(他の理由でしたらごめんなさい・・・)。本法案によって、日本国に住みたくない人々が増えるとしますと、あまりに罪深いと思うのです。

 なお、監視体制については、こちらのブログもよろしければご覧になってくださいませ。

http://blog.goo.ne.jp/kuranishimasako/e/e603a05269c8afb7dbf477caf3f1520e