時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

暫定税率問題の解決案

 世論調査によりますと、暫定税率維持に反対とする意見が多数でありながらも、税収の大幅な減少という現実を前に全面的な廃止もまた難しそうのです。それでは、どうしたらよいのでしょうか。

 第一の解決案は、地方分のみを残し、国庫分の税率は廃止にするという折衷案です。暫定税率廃止に際して懸念としては、特に地方自治体の歳入不足が指摘されきました。また、都道府県に、廃止の有無に関する権限を与えることも検討されてしかるべきかもしれません(地方への財政権限の移譲)。

 第二の案は、国庫分を一般財源化する、と言うものです。特に、新たな道路の建設のための道路予算を削減しても、竣工の時期を先延ばしたり、工期を延長したり、あるいは、採算性の合わない計画を白紙にすればよく、国民生活には直接的な影響はないはずです。

 第三の案は、財政が健全化するまで、国庫分を赤字国債の償還に充てるという案です。この場合、暫定税率の完全廃止は、財政赤字を解消してから、ということになります。

 悪化を続ける我が国の財政状況を考えますと、使途が限定された第三の案が良案のように思うのですが、いかがでしょうか。