時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

クラスター爆弾によって守られている命

 クラスター爆弾の不発弾により、多くの民間人の方々が負傷する痛ましい状況には、確かに何らかの手を打つべきではありましょう。しかしながら、その方法が、クラスター爆弾の全面禁止であるかと言いますと、それは違うのではないかと思うのです。何故ならば、クラスター爆弾保有によって、守られている多くの命があるからです。

 日本国民の命もまた、自衛隊や同盟国の米軍の保有するクラスター爆弾によって守られています。もし、自衛隊が、クラスター爆弾を廃棄するとしますと、有事の場合には、敵国の軍隊の上陸を海岸線で阻止することができなくなると指摘されています。もちろん、同条約に不参加を表明している同盟国の米軍に、日本国防衛のためにクラスター爆弾を使用してもらうという方法もあります(同条約では、同盟国の保有や使用は禁止していない・・・)。しかしながら、自国防衛のために、数百億円をかけて備蓄してきた爆弾を放棄し、同盟国の爆弾に依存するということも、あまりに、ナンセンスで偽善に満ちていると言わざるをえないのです。

 日本国政府は、はじめに条約参加ありきではなく、安全なクラスター爆弾の処理方法や不発弾の無害化技術を開発するなど、技術的な貢献によるクラスター爆弾問題の解決を図るべきでなのではないでしょうか。クラスター爆弾が、自国の国民の命を守っている現状を、決して忘れてはならないと思うのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。
<A HREF="https://blog.with2.net/in.php?626231">人気ブログランキングへ</A>